安全計装システムの機能強化で、プラントの長期安全操業を支援:FAニュース
横河電機は、安全計装システム「ProSafe-RS」の機能を強化した「ProSafe-RS R4.05.00」を発表した。自社開発MPUを搭載したプロセッサモジュールにより、プラントの長期安定稼働に貢献する。
横河電機は2019年11月1日、安全計装システム「ProSafe-RS(プロセーフ アールエス)」の機能を強化した「ProSafe-RS R4.05.00」を発表した。発売は同月15日の予定。石油化学、天然ガス、電力、薬品、食品などの緊急プラント遮断システムやバーナー管理システムなどの用途を想定する。
今回の機能強化の1つとして、ProSafe-RSの安全制御機能を担うSCS(セーフティ・コントロール・ステーション)の重要な構成要素となる、プロセッサモジュール「S2CP471」を発売する。S2CP471は自社開発のMPU(マイクロプロセッサユニット)を搭載し、プラントの機能や性能を維持してプラントの長期安定稼働に貢献する。
また、SCSのシステムプログラムにオンライン更新機能を追加。事前にリスク評価を実施していれば、この更新機能を利用できる。これまでは数年に1回、システムをシャットダウンしてメンテナンスするタイミングでプログラムを更新していたが、同機能により、SCSのアップグレードや更新プログラムを適用する際に生産ラインを停止する必要がなくなる。更新のタイミングが自由になったことで、誤作動から生じる事故発生のリスクも減らせる。
さらに、ProSafe-RSのフォーシング機能を強化し、全てのSCSに関して入出力値や変数のフォーシング状況がすぐに把握できる、フォーシングI/Oビュワー機能が利用できるようになった。手間をかけて調べなくても、入出力値や変数がすぐに把握できる上、レポート機能により、運転員間でフォーシング情報を効率的に引き継げる。
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