「グランエース」の水冷ターボを披露、豊田自動織機は過給器の電動化にも対応:東京モーターショー2019
豊田自動織機は、「第46回東京モーターショー2019」において、トヨタ自動車のフルサイズワゴン「グランエース」に採用された排気量2.8lのクリーンディーゼルエンジン「GDエンジン」を披露した。
豊田自動織機は、「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、トヨタ自動車のフルサイズワゴン「グランエース」に採用された排気量2.8l(リットル)のクリーンディーゼルエンジン「GDエンジン」を披露した。
トヨタ車体が開発、生産を手掛けるグランエースは、外形寸法が全長5300×全幅1970×全高1990mmで、高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」よりもさらに大型の車両だ。3列6人乗りと4列8人乗りのタイプをそろえるなど、アルファード/ヴェルファイアとは異なる市場の開拓を目指しており注目を集めている。
そのエンジンとして採用されたのが、豊田自動織機が供給するGDエンジンだ。2015年6月発表の「ランドクルーザープラド」などに採用されているが※)、グランエース向けでは水冷の可変ノズルターボチャージャーを新規開発した点が異なる。「従来のGDエンジンのターボチャージャーは空冷式だったが、性能向上に向けて過給圧を高めるため水冷式とした。合わせて耐振性能なども向上している」(豊田自動織機の説明員)という。
※)関連記事:トヨタの最新クリーンディーゼルはなぜ圧縮比が15.6なのか
また、将来技術として開発を進めている電動過給器も展示した。エンジンの低回転時からモーターで効率よく過給を行うためのもので、エンジンの中回転〜高回転時に効果を発揮するターボチャージャーと組み合わせれば、より幅広い回転域での過給を実現できる。なお、48Vハイブリッドシステムとの組み合わせを意識した電源構成となっている。
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