クリーンディーゼルへ展開を広げるトヨタの「高熱効率・低燃費エンジン群」:エコカー技術(1/6 ページ)
トヨタ自動車が新開発した排気量2.8l(リットル)のクリーンディーゼルエンジン「1GD-FTV」は、同社が2014年4月から展開を始めた「高熱効率・低燃費エンジン群」の1つである。本稿では、1GD-FTVの開発コンセプトや採用した新技術を解説しよう。
トヨタ自動車は2015年6月19日、新開発の排気量2.8l(リットル)直噴ターボディーゼルエンジン「1GD-FTV」の概要を発表した。同社が2014年4月から展開を始めた「高熱効率・低燃費エンジン群」の1つとなる(関連記事:トヨタの新開発アトキンソンサイクルエンジン、「マツダやホンダより高性能」)。
1GD-FTVと併せて、排気量2.4lの「2GD-FTV」、欧州市場向けの「オーリス」などに搭載する排気量1.4lの「NDエンジン」も発表しており、2014年4月〜2015年末の約1年9カ月で投入するとした14機種の「高熱効率・低燃費エンジン群」のうち、11機種の発表が完了したことになる。
「ランドクルーザープラド」に搭載
1GD-FTVは、ディーゼルエンジンに対して厳しいとされる国内の排気ガス規制である「ポスト新長期規制」をクリアするクリーンディーゼルエンジンである。同年6月17日に国内発売したSUV「ランドクルーザープラド」の一部改良モデルに搭載されており、同社として約8年ぶりにディーゼルエンジン搭載乗用車の国内販売に踏み切ったことが話題になっていた(関連記事:「ランドクルーザープラド」がクリーンディーゼル搭載、最大トルクは450Nm)。
実は1GD-FTVそのものは、同年5月にタイで発売されたピックアップトラック「ハイラックス」で既に採用されていた。しかし、タイ向けのハイラックスに搭載したものと、国内向けのランドクルーザープラドに搭載したものでは構成が異なっている。そして、この構成の違いは、同社がこれまでグローバルで展開してきたディーゼルエンジンに新たな戦略を導入したことも意味している。以下に、1GD-FTVをはじめトヨタ自動車のディーゼルエンジンについて説明しよう。
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