「ランドクルーザープラド」がクリーンディーゼル搭載、最大トルクは450Nm:エコカー技術
トヨタ自動車が、SUV「ランドクルーザープラド」を一部改良した。今回の改良における最大の特徴は、新開発の排気量2.8l(リットル)クリーンディーゼルエンジン「1GD-FTV」搭載モデルの追加である。
トヨタ自動車は2015年6月17日、SUV「ランドクルーザープラド」を一部改良し、同日から全国のトヨタ店を通じて販売を開始したと発表した。今回の改良における最大の特徴は、新開発の排気量2.8l(リットル)クリーンディーゼルエンジン「1GD-FTV」搭載モデルの追加である。税込み価格は、1GD-FTV搭載モデルが396万4582〜513万3927円、排気量2.7l(リットル)の自然吸気ガソリンエンジン「2TR-FE」搭載モデルが334万9963〜395万6727円。
ランドクルーザープラドは2002年10月発売の3代目モデルでは、ディーゼルエンジン搭載モデルをラインアップしていた。しかし、厳格化する国内の排出ガス規制に対応するため、2007年7月でディーゼルエンジン搭載モデルの販売を終了。その後、トヨタ自動車が国内で販売する乗用車からディーゼルエンジン搭載モデルは消えていた。今回の一部改良により、トヨタ自動車は約8年ぶりに、ディーゼルエンジン搭載の乗用車の国内販売に踏み切ることになる。
1GD-FTVは、「世界初」(同社)という「TSWIN(Thermo Swing Wall Insulation Technology)」を採用したピストンによる次世代の高断熱ディーゼル燃焼技術、新世代ソレノイドインジェクター、専用開発した高効率の空冷インタークーラー式ターボチャージャーを採用。低回転でも高トルクを発揮できる圧倒的な動力性能を備えるとともに、良好な燃費と排出ガスの低減を実現している。最高出力は130kW(3400rpm)、最大トルクは450Nm(1600〜2400rpm)。最大トルクは、一部改良前までラインアップしていた排気量4.0lのガソリンエンジン「1GR-FE」の380Nm(4400rpm)を上回る。
圧縮比も15.6に低減されており、JC08モード燃費は11.8km/lを達成した。また、新開発の尿素SCR(選択触媒還元)システムにより、ディーゼルエンジンから排出されるNOxの排出量をポスト新長期規制に適応させている。これにより、「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(CEV補助金)」における「クリーンディーゼル車」の対象となった。自動車取得税などが減免されるエコカー減税に加えて最大24万円の補助金が得られるという。
関連記事
- 新型「デミオ」の小排気量クリーンディーゼル「SKYACTIV-D 1.5」の可能性
マツダの小型車「デミオ」の新モデルはクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」を搭載している。排気量1.5l(リットル)という小排気量でありながら、排気量2.2lの「SKYACTIV-D 2.2」と同じ特性を実現するため、同社はさまざまな工夫を盛り込んだ。 - 小排気量クリーンディーゼルの開発、最大の難関は経営陣の説得だった
マツダの新型「デミオ」に採用された排気量1.5l(リットル)のクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」は、排気量2.2lの「SKYACTIV-D 2.2」の発表から3年足らずで開発された。新世代技術「SKYACTIV」に基づくパワートレインの開発を統括する仁井内進氏に、SKYACTIV-D 1.5の開発の背景や、今後のパワートレイン開発の方向性などについて聞いた。 - 段違いのクリーンディーゼルだから国内市場でも受け入れられる
マツダのSUV「CX-5」の販売が好調だ。この好調さを支えているのは、受注台数の多くを占めるディーゼルエンジンモデルに対する高い評価だろう。SKYACTIVエンジン開発担当者インタビューの後編では、国内市場で厳しい評価を受け続けてきたディーゼルエンジン車をあえて投入した背景や、ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」の技術詳細について聞いた。 - 排気量0.8lの2気筒ディーゼルエンジン「E08A型」、圧縮比を15.1に低減
スズキは、小型車向けで軽量かつコンパクトな排気量0.8l(リットル)の2気筒ディーゼルエンジン「E08A型」を開発したと発表した。インドの子会社であるマルチ・スズキ・インディアが生産/販売するインド国内市場向けの小型車「セレリオ」に搭載する。 - アウディの排気量3.0lクリーンディーゼル、欧州排ガス規制「Euro 6」に適合
Audi(アウディ)は、排気量3.0l(リットル)のV型6気筒ターボディーゼルエンジン「3.0 TDI」の新モデルを開発。従来モデルと比べて燃費性能が13%向上しており、欧州の排気ガス規制「Euro 6」に適合しているという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.