路面にマークを描いてドライバーに注意喚起、マイバッハSクラスのヘッドランプ:東京モーターショー2019
マレリ(MARELLI)は「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、メルセデスベンツ(Mercedes-Benz)「マイバッハSクラス」の最新モデルに採用されたヘッドランプを展示した。
マレリ(MARELLI)は「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、メルセデスベンツ(Mercedes-Benz)「マイバッハSクラス」の最新モデルに採用されたヘッドランプを展示した。このヘッドランプには、走行場面に合わせて配光をきめこまかく制御したり、ドライバーに注意を促すためのマークを路面に投影したりするデジタルライトプロセッシングユニットが組み込まれている。
マレリはヘッドランプユニット全体を手掛けている。この中に組み込まれているデジタルライトプロセッシングユニットは、3つのLED光源と130万個のマイクロミラーで構成されている。従来のヘッドランプよりも細かく配光を制御することで、対向車や前方車、歩行者がまぶしさによって幻惑するリスクを最小限に抑える。マイバッハSクラスの最新モデルでは、カメラやセンサーで他の車両や歩行者を検知するとともに、デジタルナビゲーションマップと自車位置を突き合わせて可能な限り最適な配光に調整する。
幻惑を防ぐだけでなく、特定のマークを表示することでドライバーに注意を促す機能も持たせた。次のステップでは周囲とのコミュニケーションを可能にすることも目指しているという。
表示するマークはメルセデスベンツ独自のものではなく、マレリとメルセデスベンツがドイツ政府とともに法整備した公的なデザインだ。工事現場など道路の幅員が狭くなる場所でガイドラインとなる線を示したり、車両のセンサーが検出した歩行者の方向を示したりする。この他、車間距離、路面が滑りやすいことの表示、凍結への注意喚起、前方車両への追突を警告するマークなどが法律で定義されており、マイバッハSクラスのヘッドランプも投影に対応している。
なお、路面にマークを表示する機能は現時点ではドイツ国内でのみ有効だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ヘッドランプ進化の歴史、シールド式からハロゲン、HID、LED、そしてレーザーへ
自動車が夜間走行する際に前方を照らすとともに、その存在を他の車両や歩行者に知らせる役割も果たすヘッドランプ。かつて北米で義務付けられていたシールドビーム式から、ボディ内部に格納できるリトラクタブル式、ハロゲン、ディスチャージ、近年採用が拡大しているLED、そして次世代技術のレーザーまでを総ざらえする。 - LED素子300個なみの配光制御を12個で、ヘッドランプにブレードミラーを採用
小糸製作所は2019年9月9日、トヨタ自動車の「レクサスRX」で新開発のヘッドランプ「ブレードスキャンADB」が採用されたと発表した。 - ヘッドランプにデジタルマイクロミラーデバイス、路面に図形や文字を描画
市光工業は「人とくるまのテクノロジー展2018」において、ピクセル単位で配光を制御するヘッドランプ「HD ライティング」を世界初公開した。 - アウディ新型「A8」のランプはLED素子を総計540個以上採用、レーザーや有機ELも
アウディジャパンが2018年10月に発売するフラグシップセダン「A8」の新モデルは、レーザーや有機ELといった新しい光源をランプに採用した。より広い視界を確保して運転を支援する目的に加えて、ブランドの個性を演出するための光源の制御や活用が高級車を中心に求められていきそうだ。 - ドライバーの意思をもっと分かりやすく伝えたい、LEDで路面にクルマの動きを表示
三菱電機は車両の後退やドアが開くことを光で知らせる技術「安心・安全ライティング」を開発した。車両に注意喚起のマークを表示したり、路面に車両の挙動を示す図形を投影したりする。2020年度以降の事業化を目指す。 - 自動車用ランプにカメラとLiDARを内蔵してセンシング、次はミリ波レーダーも
小糸製作所と米国子会社のノース・アメリカン・ライティングは消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、自動運転車の環境認識用センサーを内蔵したランプを出展する。2019年1月6日に先行して開催されたメディア向けのイベントでも同製品を紹介した。