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ヘッドランプ進化の歴史、シールド式からハロゲン、HID、LED、そしてレーザーへいまさら聞けない 電装部品入門(23)(1/5 ページ)

自動車が夜間走行する際に前方を照らすとともに、その存在を他の車両や歩行者に知らせる役割も果たすヘッドランプ。かつて北米で義務付けられていたシールドビーム式から、ボディ内部に格納できるリトラクタブル式、ハロゲン、ディスチャージ、近年採用が拡大しているLED、そして次世代技術のレーザーまでを総ざらえする。

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 ヘッドランプ(ヘッドライト、前照灯)は、通称ハイビーム(走行用前照灯)とロービーム(すれ違い前照灯)に分かれています。

 特に最近は少しでも事故を未然に防ぐ活動や啓蒙が随所に行われていますので、「可能な限りハイビームを使いましょう!」というフレーズを聞いたことがあるかもしれませんね。

 特に日本という限られた道路環境で見ると、都心部であれば対向車とすれ違わない環境が限りなく珍しいといいますか、夜中でも必ずといっていいほど車に遭遇します。

 こういった環境が当たり前になっていると、どうしても

「ハイビームなんて使ったことがない!」

 という方も出てきてしまうかなぁと感じる今日この頃です……。

ハイビームインジケータ
ハイビームインジケータ

 ヘッドランプは、夜間の視界確保に必要不可欠な重要保安部品ですが、近年目まぐるしい進化を遂げている部品と言えます。

 自動車がこの世に登場して間もなく、ヘッドランプは夜間の視界確保のために装着されました。当時は、アセチレンランプという、炭化カルシウムと水を反応させることで発生するアセチレンを燃焼させて光源として利用していたそうです。

 その後すぐに電気式ヘッドランプが普及し始めるのですが、光源を前方へ効率よく反射させるために正面から見ると真ん丸の形をしたものが主流でした。

丸いヘッドランプ搭載車の例(シールドビーム式)
丸いヘッドランプ搭載車の例(シールドビーム式)。この年式のクルマはどれを見ても丸目ですね

 丸いヘッドランプの代表格ともいえるシールドビーム式は、白熱電球が大きくなったものと考えていただいて間違いありません。

 今でこそ考えられませんが、北米ではこのシールドビーム式に大きさまで規定し、全車に共通して搭載することが義務付けられていました。

 “シールド”と言う名前の通り、構造的に完全に密封されているため、フィラメントだけを交換するといったことはできません。

「ランプが点灯しなくなったら電球を丸ごと交換する」

 単純明快かつ、全車統一の電球(ヘッドランプ)ですから、どこで不具合が発生してもすぐに交換してもらえるというメリットはありました。ただしどの車を見ても同じ形状をしたヘッドランプが取り付けられている状況ですので、かなり偏ったデザインになってしまいます。

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