三菱自動車がコンパクトPHEVにガスタービンエンジンを採用する4つの理由:東京モーターショー2019(2/2 ページ)
三菱自動車は「第46回東京モーターショー2019」において、スモールサイズの電動SUVのコンセプトカー「MI-TECH CONCEPT(マイテックコンセプト)」を初披露した。最大の特徴はガスタービンエンジンの採用になるだろう。
量産採用に向けて課題も
ただし、量産採用に向けて課題もある。まず、ガスタービンエンジンの熱効率はガソリンエンジンと比べて高いとはいえない。「基本的に出力を変動させて利用するガソリンエンジンに対して、ガスタービンエンジンは一定出力での動作が最も効率が良い。全体を平均で見た効率であれば、同じくらいにはなるだろう」(同説明員)。
また、自動車で一般的に搭載されていない以上、ガスタービンエンジンを手掛けるサプライヤーとの開発協力も必要になる。三菱自動車との関係でいくと、三菱重工業なども候補に挙がるが「現在は全くの白紙。今回のMI-TECH CONCEPTの発表を契機に、さまざまな企業に協力を募っていきたい」(同説明員)としている。
さらに、ガスタービンエンジンは、動作時にかなりの熱を出すため排気ファンも必要になる。MI-TECH CONCEPTの車両後部にある4つの排熱ファンはこのためのものだ。
三菱自動車 COOのグプタ・アシュワニ氏は「今後は、三菱自動車独自のPHEV技術やルノー・日産・三菱アライアンスの技術を活用して電動車のラインアップを拡充していく。具体的には、2022年までに、ミッドサイズSUV、コンパクトSUVに、いずれかの電動化技術を採用した新型車を投入する」と語っている。しかし、現在の開発状況を考えると、MI-TECH CONCEPTのようなガスタービンエンジンを搭載するPHEVが2022年までに登場する可能性は低そうだ。
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