月額1980円でスマホがAIカメラに、オプティムがサービスを拡充:人工知能ニュース(2/2 ページ)
オプティムは、AI(人工知能)画像解析技術で各業界特有の課題解決を実現するパッケージサービス「OPTiM AI Camera」の適用範囲をさらに拡大する新サービスとして「OPTiM AI Camera Lite」「OPTiM AI Camera Mobile」「OPTiM AI Creator」を発表。これらの新サービスは2019年度内をめどに提供する計画だ。
「OPTiM AI Camera Lite」の価格は従来比5分の1
高い評価を得ているOPTiM AI Cameraだが、さらに手軽にAIを活用したいという要求も多い。そこで今回発表したのが、OPTiM AI Camera LiteとOPTiM AI Camera Mobileだ。OPTiM AI Camera Liteは、Webサイト上から必要な機能だけを購入して、カメラを使ったAIを導入できるサービスだ。価格はカメラ1台当たり月額2980円で、OPTiM AI Cameraの約5分の1になる。
OPTiM AI Camera Mobileは、ハードウェアとしてスマートフォンやタブレット端末を使うことで、導入をより簡単にするためのサービスになる。アプリをインストールしてから、メールアドレスを入力、設置場所名を入れて、端末側での表示コンテンツを決め、Web画面とひも付けして設置するという5ステップで、カメラベースのAIを始められる。価格も、端末1台当たり月額1980円とOPTiM AI Camera Liteよりも安価だ。
さらに、OPTiM AI Cameraで利用できる画像解析用の学習済みモデルをユーザー自身で作成できるサービスがOPTiM AI Creatorである。300種以上とはいえ、OPTiM AI Cameraで提供する画像解析用学習済みモデルは汎用的な内容になっている。OPTiM AI Creatorは、ユーザー自身の目的に特化した学習済みモデルを作成する場合に、画像データをタグ付けするアノテーションを容易に行えるなど、オプティムのAI開発の知見やノウハウが反映されている。
「蔦屋家電+」向けのサービスを小売店舗向けに展開
一方、OPTiM AI ResearchとOPTiM AI Signageは、小売店舗向けにオプティムのAI技術をより使いやすくするためのサービスだ。蔦屋家電エンタープライズが展開する「蔦屋家電+」に提供している「OPTiM AI Camera for Retail CE」をベースに開発した。スマートフォンやタブレット端末のカメラを使って、売場を訪れた来店客の数、年齢、性別、訪問時刻、滞留時間など、POSレジでは得られない来店客の行動を含む分析データを取得できる。価格は、画像解析から端末の用意、機器取り付け、通信ネットワークの提供、電源供給などをトータルパッケージにして1エリア当たり半年間で300万円から。
OPTiM AI Signagは、OPTiM AI Researchに用いているタブレット端末の画面をデジタルサイネージとして活用するためのサービスだ。OPTiM AI Researchの結果などを基に、来店客に最適な広告の掲示や運用などを行える。
OPTiM AI Voice Recorderは、既存サービスの「OPTiM AI Voice」をバージョンアップしたもので、AIによるリアルタイム音声認識とテキスト変換の基本機能はそのままに、データ保存、データ検索というの2つの機能を強化した。デバイスパートナーとしてヤマハ、サンワサプライ、ゼンハイザー、Jabraブランドを展開するGNオーディオの4社と提携している。価格は月額8300円からとなる。
なお、これらのAIサービスなどは、オプティムとして初の単独プライベートショーとなる「OPTiM INNOVATION 2019」(2019年10月24〜25日)で一般公開する予定だ。
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