コト売りを支えるITに可観測性をもたらすプラットフォーム、パイオニアも導入:製造ITニュース
デジタルインフラの監視、分析ソリューションを提供するNew Relic(ニューレリック)は2019年10月10日、東京都内で記者会見を開催し、日本市場参入の成果と新サービスなどについて発表した。
デジタルインフラの監視、分析ソリューションを提供するNew Relic(ニューレリック)は2019年10月10日、東京都内で記者会見を開催し、日本市場参入の成果と新サービスなどについて発表した。
米国サンフランシスコに本社を置くNew Relicは、アプリケーションの安定性やパフォーマンスを監視するAPM(アプリケーションパフォーマンスモニタリング)ベンダーとして知られる。
“世界初の可観測性プラットフォーム”とうたう同社ソリューション「New Relic ONE」は、APMの枠を超えて「システムとビジネスを全て観測可能にする」(New Relic日本法人 社長 小西真一朗氏)ものだという。具体的には、アプリケーションのトランザクションやサーバなどITインフラの監視、ユーザーの利用状況などの解析といった機能を提供。グローバルの顧客数は約1万7000社で、日本企業も同日に採用が発表されたパイオニアを始め、コマツなど数百社が導入していると紹介した。
小西氏は、New Relic ONEを利用する日本企業のユースケースとして、システムの予期せぬ停止や障害を未然に防ぐAPM用途の他、開発サイクルの高速化に寄与するDevOps用途、システムのクラウド移行やコスト最適化を引き出す指標の可視化用途、デジタル接点における顧客体験のリアルタイム追跡用途などがあるという。
多様なデータを解析し、ビジネスに有益な情報を見出す新機能を追加
記者会見で小西氏は、日本法人の注力領域として金融、ITに加えて製造業を設定していることを明かした。製造業がモノ売りからコト売りへと転換を図る中、小西氏は「(日本製造業のモノ売りなど)従来型ビジネスは事業経験が長く、品質や仕様も高いレベルを実現している。その一方で、デジタルビジネスのプロパイダーとしてみると事業経験は短く、品質や仕様は不明瞭な点が多々ある」と指摘。
New Relic日本法人が開設1年を迎えることに触れ、「日本企業が持つ従来ビジネスのブランドを、デジタルビジネスにも発揮できるとどんなに素晴らしいだろうと思い、われわれも1年間やってきた」と語る。その上で、国内企業のデジタルトランスフォーメーションが進まない理由として、ビジネスがデジタルに移行することで顧客反応など顧客体験の指標が計測しにくいこと、コンテナやマイクロサービスの導入によりシステム指標が複雑化していること、失敗を許容しない企業文化により挑戦を阻む傾向にあることを挙げた。
その課題を解決するべく、New Relic ONEの新機能を日本市場に導入したことを紹介した。新機能では、多様なテレメトリデータを収集、保存、検索可能にする「New Relic Metrics & Traces」や「New Relic Logs」 、データの関係性を解釈し行動可能なインサイトを提供する「New Relic AI」「Logs in Context」を新たに導入。また、データから必要な知見を得られやすくするように、ユーザーがプラットフォーム上でダッシュボードを簡単に構築できるようにした。これら新機能は、多様かつ膨大なデータから、発生した問題の解決の道筋やビジネスインサイトを得るものとなる。
また、小西氏はパイオニアのクラウド型車両運行管理サービス「ビークルアシスト」にNew Relic ONEが導入されたことを紹介した。ビークルアシストは現在、2年前と比較して利用者が10倍以上に増えており、今後も利用者規模をさらに5倍以上拡大させる方針だ。そのような状況で、New Relic ONEの導入により「可観測性を持って安定稼働を支援することはもちろん、障害対応工数を50%削減することを見込む。アプリケーション動作の不具合をコードレベルまで原因特定できるので、エンジニアリングチームを障害対応から解放し、チーム全員で新サービスの改善につなげられるようになる」と効果を強調した。
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