アジア地域の調査で日本のデジタルトランスフォーメーションの遅れが明確に:製造マネジメントニュース
マイクロソフトは、アジア13カ国・地域のビジネスリーダーを対象に、最新テクノロジーの活用とビジネス変革について調査した「Microsoft Asia Digital Transformation Study」を発表した。
マイクロソフトは2017年3月1日、アジア13カ国・地域のビジネスリーダーを対象に、最新テクノロジーの活用とビジネス変革について調査した「Microsoft Asia Digital Transformation Study」を発表した。他地域に比べ、日本のデジタルトランスフォーメーションは進んでおらず、緊急性を持った取り組みが必要だという。
同調査によると、デジタルトランスフォーメーションが重要だと回答した日本のリーダーの割合は50%で、アジア全体の平均80%と比較して低い結果となった。また、デジタルトランスフォーメーション進展の阻害要因として、サイバーセキュリティ上の脅威、不確実な経済環境、デジタルスキルを持った人的リソースの不足、政府とICTインフラのサポート不足、エグゼクティブ層のリーダーシップ不足が挙げられている。
デジタルトランスフォーメーションの現状および準備状況でも、「デジタルトランスフォーメーションの準備ができている」とする回答がアジア全体では27.4%だが、日本では15.7%にとどまった。今なおプロセス管理など、手続きや仕組み作りを重視する傾向が強く、実際の変革への着手が遅れている現状が浮き彫りになった。
また、自社組織におけるデジタル技術の活用では、クラウドとデバイスにおけるリモートワーク環境、組織のデジタル化、データ分析による経営、クラウドの重要性の4項目について同意するものを尋ねたところ、アジア全体の平均値が79.5%であったのに対し、日本の平均値は52%だった。さらに、確信を持ってデジタルトランスフォーメーションを推進するリーダーは、アジア全体では55%だが、日本では約30%にとどまり、保守的な考え方や見方が多いと推測されるとしている。
この結果を受けてマイクロソフトでは、日本企業がデジタルトランスフォーメーションを成功させる鍵として次の3点を挙げている。第1点は、緊急性のあるデジタルトランスフォーメーションの推進で、ビジネスリーダーがデジタル技術の活用による具体的な成果を想定しながら、確信を持って推進することが必要だとする。第2点は組織のデジタル化で、テクノロジーの導入だけでなく、スキルを持った人材育成やテクノロジーを活用した目的の明確化が必要だとする。さらに第3点として、信頼できるパートナーの確保を挙げる。
同調査では、日本企業がアジア全体と異なる傾向を示す結果となったものの、日本は元来テクノロジーやガジェットなどへの親和性が高い市場であり、緊急性を持った取り組みにより、日本が再度リーダーシップを発揮できる素地はあるとしている。
同調査は、オーストラリア、中国、香港、インドネシア、インド、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、台湾およびタイの13カ国・地域を対象としており、回答者数は日本人115人を含む1494人だった。
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