3D CADデータをVR活用できるVRソフトのワイヤレスオプション:VRニュース
サイバネットシステムは、VRソフト「バーチャルデザインレビュー」のワイヤレスオプションを発売した。3D CADのVR画像をヘッドマウントディスプレイ「VIVE Focus Plus」に無線で表示できるため、時間や場所を選ばずに高精度なVR検証ができる。
3D CADモデルやCAEの結果をVR空間にワイヤレス表示
サイバネットシステムは2019年9月19日、VR(仮想現実)ソフト「バーチャルデザインレビュー」のワイヤレスオプションを発売した。
バーチャルデザインレビューは、3D CADのモデルを直接VR空間に投影し、遠隔地のメンバーなどが同じVR空間でコミュニケーションを取りながらレビューできる。
今回発売したワイヤレスオプションは、同社とHTC、Advanced Micro Devices(AMD)の3社で開発した。AMDのグラフィックスカード「AMD Radeon Pro」を搭載したワークステーションが表示する3D CADのVR画像を、HTCのヘッドマウントディスプレイ「VIVE Focus Plus」にワイヤレスで表示させる。内蔵センサーを利用するため、ベースステーションの設置は不要だ。
バーチャルデザインレビュー上で最適に動作するよう、AMDのVRストリーミングソリューションAMD Radeon ReLive for VRをカスタマイズしたところ、加工せずに3D CADデータをリアルタイムにVR空間に表示可能になった。CADのほか、CAEによるシミュレーション結果も表示し、ワイヤレスでも遅延のストレスを感じずに利用できる。
同オプションにより、空間やケーブル類の制約から解放され、より手軽で高精度なVR検証が可能になる。設計や製造現場でのVR活用が促進されることで、手戻りやコストが減り、開発期間も短縮する。
サイバネットシステムは、今回発表したワイヤレスオプションの体験セミナーを、同年10月10日、TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原にて開催する。
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