VR空間にある3Dモデル部品を動かして製品の組み立てや保守作業をバーチャル検証:VRニュース
デジタルプロセス(DIPRO)は、VR(仮想現実)技術を活用し、製品の組み立てや保守の作業性の検証に役立てることが可能なソリューション「DIPRO Xphere」の販売を、2019年4月19日から開始する。
デジタルプロセス(DIPRO)は2019年4月11日、VR(仮想現実)技術を活用し、製品の組み立てや保守の作業性の検証に役立てることが可能なソリューション「DIPRO Xphere(ディプロ クロスフィア)」の販売を、同年4月19日から開始すると発表した(関連記事:VR空間内で部品を動かせる、「DIPRO VR」は組立検討に最適)。
VR空間の部品を動かせる「DIPRO Xphere」、大規模データもストレスなく
DIPRO Xphereは、設計者が定義した部品単体や複数部品を組み合わせたユニットの3DモデルをVR空間の中で動かすことが可能。例えば、部品を組み付け単位で動かすことで、実作業に近い姿勢での検証などが行える。また、周辺部品との干渉や接触なく製品の組み立て作業が行えるか、あるいは部品と部品の隙間などに作業者の手が入るかなどを、実機を用いることなく、VR空間上であらかじめ検証できる。
さらに、VRの活用で課題となる“人の動きに合わせた視野への追従性”に関しては、同社3Dビュワー「DIPRO VridgeR」で開発した「DVXテクノロジー」(※1)によって解消。実空間に近いリアルな追従性を実現しているという。具体的には、自動車1台分のフルアセンブリデータでも高速で、ストレスのないVR表示が可能で、身体の動きにもスムーズに追従し、VR酔いをすることなくより現実に近い検証が行える。
※1:DVXテクノロジーは、DIPROが独自開発した技術。数百万部品の製品データであっても、CADと比較して20分の1以下のメモリサイズで扱うことが可能。省メモリであっても3Dモデルを高精度で保ち、CADで定義された形状を正確に表現できるという。
VR空間に3Dデータを取り込む際は、CADデータのダイレクトインポート機能を使用する。同社独自のCADデータ変換技術により、各種3DデータをVR空間に直接取り込むことが可能で、中間形式のデータを作成する手間が不要となり、タイムリーなVR検証を行うことができる。
既に世の中には同様の事前検証ツールが存在するが、その多くはディスプレイ上の空間で検証するツールであるため、人の感性や体感に訴える作業性の検討が行えないことが課題となっていた。
DIPRO Xphereを用いることにより、製品の組み立て、保守業務における作業性の課題を、VR空間上で実機と同様の感覚で事前検証でき、開発から製造までのリードタイム短縮やトレーニングの効率化が図れ、製品の早期品質向上に貢献できるという。
工場全体の動きをVR空間で再現する「バーチャル工場」も目指す
さらに同社は、製品の組み立て検討、生産設備の設計、設備検討など、工場における各種業務支援パッケージソフトウェアの提供も行っているが、これらソフトウェアから出力されるデータや情報などをDIPRO Xphereに取り込み、工場全体の動きをVR空間で再現するバーチャル工場による検証環境の実現も目指す。
DIPRO Xphereの販売価格および提供時期は以下の通りである。
製品名 | 販売価額(税別) | 提供時期 |
---|---|---|
DIPRO Xphere(基本ライセンス) | 320万円 | 2019年5月13日から |
DIPRO Xphere(JTインポートオプション) | 30万円 | 2019年5月13日から |
DIPRO Xphere(CATIA V5インポートオプション) | 50万円 | 順次提供 |
表1 DIPRO Xphereの販売価格および提供時期 |
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