連載
データムを必要とする幾何公差【その1】〜姿勢公差の平行度〜:産機設計者が解説「公差計算・公差解析」(8)(4/4 ページ)
機械メーカーで機械設計者として長年従事し、現在は3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者が公差計算や公差解析、幾何公差について解説する連載。第8回はデータムを必要とする幾何公差をテーマに、姿勢公差の平行度について取り上げる。
1−1−3.平面形体のデータム直線に対する平行度
・公差域の定義
データム直線(LD)に平行な幾何学的2平面でその平面形体(P)を挟んだとき、平行2平面の間隔が最小となる場合の2平面の間隔(f)で表す。
補足説明:
JISの表現も比較的分かりやすく書かれていますが、整理すると、公差域は、データムに平行な、fだけ離れた平行2平面によって規制されています。他には、(1)互いに直角な2方向の平行度のように、それぞれの2平面によって直方体の公差域が作られる場合や、(2)方向を定めない場合の平行度のように、2平面ではなく、円筒の公差領域が作られる場合があります。
平行度を使用することは多いのですが、筆者は平行2平面による領域で規制を行うことがほとんどで、(1)や(2)のような領域を指示した経験はありませんでした。簡単だと考えていた平行度に対して、その認識をあらためているところです。
測定方法
最後に、測定方法について紹介します。3次元測定器を使用する測定の他に、定盤上に測定対象物を置いて、ダイヤルゲージやハイトゲージを使って測定する方法が一般的です。測定値において最小値と最大値の最大差が平行度となります。
定盤上の測定では、データムが何か、測定箇所がどこかによって、その測定方法は変わってきます。
- データムが面/測定箇所が平面の場合
- データムが面/測定箇所が穴の場合
- データムが穴/測定箇所が穴の場合
今回は、データムを必要とする幾何公差をテーマに、姿勢公差の平行度について解説しました。この続きはまた次回ということで! (次回に続く)
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