連載
データムを必要とする幾何公差【その1】〜姿勢公差の平行度〜:産機設計者が解説「公差計算・公差解析」(8)(3/4 ページ)
機械メーカーで機械設計者として長年従事し、現在は3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者が公差計算や公差解析、幾何公差について解説する連載。第8回はデータムを必要とする幾何公差をテーマに、姿勢公差の平行度について取り上げる。
1−1−2.直線形体または平面形体のデータム平面に対する平行度
・公差域の定義
データム平面(PD)に平行な幾何学的平行2平面でその直線形体(L)または平面形体(P)を挟んだときの、2平面の間隔(f)で表す。
補足説明:
この平行度は、最も一般的に使用されるものではないでしょうか。筆者も頻繁に使用しています。では、
- データム平面の平面度とデータム平面に対する平行度
- データム平面に対する平行度とその平面度
はどのような関係にあるのでしょうか。
平行度およびデータム平面の定義より、データム平面(基準面)の平面度と平行度は無関係です。また、対象の平行度とその平面度については、“平行度<平面度”というのは、実物としておそらくあり得ません。ただし、“平行度>平面度”というのは、そのような幾何公差を設定するかどうかは別として、あり得るものだと考えます(筆者解釈)。
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