メディカル、ライフサイエンス領域での技術貢献を「CEATEC 2019」で紹介:CEATEC 2019
ソニーは「CEATEC 2019」に出展し、メディカルイメージング領域とライフサイエンス領域に関する、同社の技術や製品を紹介する。
ソニーは2019年9月11日、同年10月開催の「CEATEC 2019」に出展し、同社技術を生かしたメディカル領域での取り組みを紹介すると発表した。
CEATECは、IT技術とエレクトロニクスの国際展示会。今年は10月15日〜18日に幕張メッセ(千葉市)で開催される。ソニーの出展テーマは「Sony's Technologies×Medical/Life Science」で、メディカルイメージング領域とライフサイエンス領域に関する技術や製品を紹介する。
メディカルイメージング領域で紹介するのは、同社のイメージセンシングや3D、色域拡大、伝送といった技術を応用開発した製品だ。
例えば、同社独自の裏面照射型画素構造のCMOSイメージセンサーや画像処理技術によって、高精細4K映像や暗所でもノイズが目立ちにくい映像を得られるようになった。また、3D映像撮影に適した並列光学機構を小型化する技術、立体感を自然に再現する技術で、より自然な3D表現が可能になった。
これらの技術は、4K術野カメラ、4K外科手術用内視鏡システム、4K3D手術用顕微鏡システムのカメラヘッドなどに搭載されている。
他にも、4K放送規格に用いられる映像信号(ITU-R BT.2020)に対応することで、モニターで広色域を再現可能になった。特に赤の再現性が高いため、微細組織や血管などを識別しやすくなり、手術中の正確な判断につながる。病院内の遅れの少ない高画質データ伝送には、映像伝送技術LLVCが応用されている。
ライフサイエンス領域では、再生医療や免疫学分野の進展に貢献する技術を紹介。レーザーを光源とする細胞解析システムに、光ディスク技術を応用した光学解析技術は、細胞情報の検出や分取機能の自動化を可能にした。
また、染色試薬を用いずに非侵襲で細胞の動きを高速検出する手法は、独自の細胞解析アルゴリズム「Motion Vector Prediction Method(MVP法)」によるものだ。これらの技術はフローサイトメーター(細胞分析装置)などに生かされている。
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