CMOSイメージセンサーはAIで成長を持続へ、車載向けの量産も開始するソニー:製造マネジメントニュース
ソニーは2019年7月30日、2020年3月期(2019年度)第1四半期の決算を発表した。第1四半期の業績は、売上高は前年同期比1%減の1兆9257億円と減収となった。また、収益についても、営業利益は同18%増の2309億円、税引前利益は同26%減の2310億円、四半期純利益は同33%減の1521億円と、営業利益を除いて減益となり、やや苦戦した結果となった。
ソニーは2019年7月30日、2020年3月期(2019年度)第1四半期の決算を発表した。第1四半期の業績は、売上高は前年同期比1%減の1兆9257億円と減収となった。また、収益についても、営業利益は同18%増の2309億円、税引前利益は同26%減の2310億円、四半期純利益は同33%減の1521億円と、営業利益を除いて減益となり、やや苦戦した結果となった。
苦戦の要因について、ソニー 代表執行役専務 CFOの十時裕樹氏は「要因としてはテレビとスマートフォン端末の販売台数減少、PS4ハードウェアの販売台数減少などの要因があった。地政学的な問題についてもあるが米中貿易摩擦における関税引き上げによる影響は現状までは軽微だ」と述べている。
イメージセンサー事業は引き続き成長の柱に
ソニーでは2019年度からセグメントの再編成を行っているが、セグメント別では、CMOSイメージセンサーを核としたイメージング&センシング・ソリューション(I&SS)部門が好調を持続。増収増益を実現している。
イメージセンサー事業の好調について十時氏は「モバイル機器向けのイメージセンサーが大幅な増収となった他、スマートフォン端末各社の中高級機に高い比率で採用されていることが事業の強さにつながっている。スマートフォン端末の多眼化による数の増加とともにセンサーサイズ拡大による高付加価値化が進んでおり、ソニーにとっては追い風となっている」と語る。
さらに、「半導体分野の85%がイメージセンサーとなるなど、売り上げの比率をみても偏重しているが、一般的な半導体とイメージセンサー事業は異なり、多大な投資により微細化を進めていかなければならないようなビジネスモデルとは異なりリスクは小さい。アナログとデジタルの融合した半導体製品である他、受注の大半がカスタム品であり、シリコンサイクルの影響を受けにくい事業構造となっている。ここ数年は年率17%の成長を遂げている」と十時氏は同事業について自信を見せる。
また、今回事業セグメントを再編した理由について「イメージングだけではなくTOFセンサーなど、センシング用途での採用も増えてきたことから、事業を再編した。スマートフォン端末以外の用途でも徐々に広がりが出てきている。車載用途は現在主に3つの製品を用意しているが、2019年度中には全て量産出荷を開始する予定だ。車載向けの数量そのものはまだ少なく、業績に与えるインパクトはまだ小さいが、新しい市場をさらに広げていく」と十時氏は意欲を語る。
今後はさらにCMOSイメージセンサーにAIを組み込み、センサーハードウェアとアプリケーションを組み合わせ、ソリューションの形で提供する取り組みを強化する。「これらは半導体事業だけで取り組めるものではないので、ソニーグループ全体で推進する。センサーレベルでAIを活用しデータを高度に前処理することでさまざまな価値を作る」(十時氏)としている。
また2019年度第1四半期では再建中のモバイル事業についても黒字化を実現。「2012年度から繰り返してきた構造改革への取り組みにより、全ての事業が高い競争力を取り戻しつつある。2019年5月の経営方針説明会でもさまざまな取り組みを説明したが、成長施策を進めるとともに事業間シナジーを生み出していく」と十時氏は述べている。
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