製造業兼スマート工場ベンダーであるiSTC、200社への導入実績を生かし改善を加速:製造業がサービス業となる日(2/2 ページ)
中小、中堅企業向けのスマートファクトリー関連製品を展開するi Smart Technologiesは2019年9月12日、都内で3周年記念イベント「iSTC Evolution TOKYO 2019」を開催し、同社の今後の取り組みとともに新製品「iXacs」の紹介を行った。
「iXacs」の強化ポイント
新たにリニューアルした「iXacs」だが、主に「UI/UX」「利便性」「次への布石」という3つの観点で改善を進めたという。
1つ目の「UI/UX」の変更だが、基本的なデータのビジュアル化を実現できるようにした。従来はi Smart Technologiesのシステムとしては生産データがCSV出力されるだけで、改善を行うには担当者がCSVデータからグラフ化する必要があったが、毎日同じグラフを同じ時間に出力できるようにした。「単純な作業は自動化し人はすぐに改善のアクションが起こせるようにすることが理想だ」とi Smart Technologies CTOの今井武晃氏は述べている。
2つ目の「利便性」については、データ項目の変更などについてユーザー側で自由に変更できるようにした。「従来は、i Smart Technologies側で設定変更を行うためにタイムラグが生じていた。改善を上手に行っているところほど、設定変更をどんどん進めるものだ。そこで待たせる状況を生んでしまっていたのを、ユーザー側でよく変更するものについては、すぐに変更できるように仕組みを変更した」と今井氏は語る。
このユーザー側での設定変更を可能としたことで、新たな付加価値などの提供も可能とした。ソラコムが提供するセルラー通信内蔵のボタン型デバイス「SORACOM LTE-M Button」を活用し、停止時間理由をその場で入力できる簡単な仕組みを提供できるようにした(※)。「ボタンを押して関連付けることで停止要因がすぐに登録でき、改善活動への活用ができる。ユーザーの個別の要因などもすぐに登録できるために、改善の品質やスピードを高められる」と今井氏は価値を強調する。
(※)関連記事:ソラコムが新機能を発表、顧客のIoTソリューションのサブスクリプション販売も
3つ目の「次への布石」については、データ構造を汎用的なものに見直しをかけた。「製造IoTデータは経営データに直結しているため、今後さまざまな領域で活用できる可能性がある。こうした背景を踏まえて、データ構造を他の領域でも活用できる汎用的な構造に変更した」と今井氏は語っている。
これらのデータ構造の変更により、他のBIツールとの連携なども容易に行えるようになった。実際にウイングアーク1stのBIツール「MotionBoard」とは連携を開始。i Smart Technologiesによるデータだけでなく、動画やExcel資産などを組み合わせて記録し、ダッシュボードで一覧できるようにしたシステムを2019年10月から展開予定だとしている。既に販売パートナー6社が手を挙げているとし、販売を広げていく方針だ。今井氏は「他の企業との連携も推進。連携用のAPIなども用意する」としている。
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