新型「レガシィ」の統合コックピット、デンソーとブラックベリーが共同開発:車載ソフトウェア
デンソーとブラックベリー(BlackBerry)は2019年9月11日、複数のHMI(Human Machine Interface)を連携させる統合コックピットシステム「Harmony Core」を共同開発したと発表した。同年秋から米国で発売されるSUBARU新型レガシィ、アウトバック(米国仕様)に搭載される。
デンソーとブラックベリー(BlackBerry)は2019年9月11日、複数のHMI(Human Machine Interface)を連携させる統合コックピットシステム「Harmony Core」を共同開発したと発表した。同年秋に米国で発売されるSUBARUの新型「レガシィ」「アウトバック」(米国仕様)に搭載される。
BlackBerryは組み込み用仮想化ハイパーバイザー「QNX Hypervisor」を提供している。今回発表されたHarmony Coreは、QNX Hypervisorを世界で初めて車載し、メーター、車載マルチメディア、HUD(ヘッドアップディスプレイ)の基本OSを1つのプロセッサ上で動作させている。同製品の開発には、車室内環境や操作性など車に求められるユーザーエクスペリエンスを熟知したSUBARUの協力を得たとする。
近年、車室内にはメーターやナビゲーションなど複数のHMI製品が搭載され、それぞれの特性に合わせた個別のOSとプロセッサが必要となっている。車両安全性に関わるメーターの制御には高い信頼性を持つOSが必要とされ、スマートフォンとの連携やサーバーへの接続系アプリケーションには、高機能で汎用性の高いOSが求められている。
今回、両社が開発したHarmony Coreは特性の異なるOSで作動する複数のHMIを、1つのプロセッサで制御する。これにより、HMI同士をシームレスに連携させ、一体感のあるアニメーション表示やメーター画面内へナビを一部表示させるなど、ドライバーの利便性の向上に貢献するとしている。
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