ドライブレコーダーからIoT機器市場に参入、JVCケンウッドの強みとは:製造業IoT(2/2 ページ)
IoTとエッジAIの技術イベント「Qualcomm Thundercomm IoT Tech Forum 2019」で、JVCケンウッド メディア事業部 技術本部 開発部 部長の前田修一郎氏が登壇。同社がシェアを拡大させているドライブレコーダーのカメラ技術や、その技術を基にしたIoT機器市場への参入について紹介した。
通信型ドライブレコーダーを開発、プラットフォームとして展開
今後、ドライブレコーダーは通信型に移行していく可能性が高い。タクシーやトラック、バスなど商用車向けでは、法令順守や労務管理、業務効率向上の観点から通信型のドライブレコーダーが求められるようになる。また、損害保険事業者が加入者向けに新たに展開するサービスでも通信型ドライブレコーダーの採用が広がりつつある※)。
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JVCケンウッドでは、4G/LTE通信モジュールを組み込んだ通信型ドライブレコーダー単体のみならず、定期的な走行データ送信や事故発生時の通知、これらに必要なクラウドを含めたシステムとしての提供を目指していく考えだ。「ドライブレコーダーが通信型になることでIoT商品化する」(前田氏)。既に、配車サービス大手のGrab向けに、運転手の安全確保を支援するシステムとしての提供を始めている。
そして今後、通信型ドライブレコーダーの事業展開を加速するために、汎用ハードウェアとOSから成るプラットフォームを基礎に、顧客ごとの要求には容易に開発可能なアプリケーションで対応していく方針である。
この通信型ドライブレコーダーのプラットフォーム開発に採用されたのがクアルコムのSoCであり、ソフトウェア開発で協力したのがサンダーソフトとThundercommだ。前田氏は「開発を開始したのは2018年3月で、同年12月には顧客向けの最終画質検証が必要だったが、サンダーソフトや同社関連会社のMM Solutionsの協力もあって、この短期間での開発に対応できた」と強調する。
また、クアルコムのSoCを採用した理由として、当初の顧客が自社で開発したAIアルゴリズムの実装に対応可能な、GPUやDSPを用いたエッジAIの機能性を挙げた。「今後のプラットフォーム展開では松竹梅のようなグレード分けも必要になってくるだろう。サンダーソフトの協力を得てフレキシブルに対応できるような作り込みを進めて行きたい」(前田氏)。
そして、JVCケンウッドでは、この通信型ドライブレコーダーのプラットフォームをベースとして、通信型のセキュリティカメラや鉄道カメラ、人に装着するボディーカメラなど、さまざまなIoT機器市場への参入を検討しているという。
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