特集
後発でも勝負できる! HPの3Dプリンティング事業が目指すもの:HP Jet Fusionシリーズ(4/4 ページ)
参入から数年、同社の3Dプリンティング事業は今どのような状況にあるのだろうか。HP Jet Fusionの優位性、新シリーズの特長、そして金属3Dプリンタへの取り組みについて、日本HP 3Dプリンティング事業部 事業部長の秋山仁氏に話を聞いた。
金属3Dプリンタ「HP Metal Jet」のロードマップ
――最後に、金属3Dプリンタへの取り組み状況について教えてください。
秋山氏 2018年に最終製品として利用可能な金属パーツの量産に対応する金属3Dプリンタ「HP Metal Jet」を発表した。GKN Powder MetallurgyとParmatechの2社の工場にβ機を設置している。また、現在その装置を活用した造形サービス「Metal Jet Production Service」を展開しており、造形物の仕上がりを実際に手に取って確認いただける状況にある。そして、2020年に先行ユーザーへの販売を開始し、2021年に一般販売を行う計画となっている。日本での展開は検討中であるが、着実に金属3Dプリンタへの取り組みは進んでいる。
金属3Dプリンタに関しても後発になるが、HP Jet Fusionと同様に、後発でもきっちりと勝負できる高度な技術を搭載した装置の開発を進めている。当然、そこにはHPが長年培ってきたプリントヘッドの技術が生かされている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日本HP、大量生産向け/フルカラー造形対応の3Dプリンタ新シリーズを投入
日本HPは、3Dプリンタの新シリーズを発表した。造形スピードを大幅に向上した大量生産向けの「HP Jet Fusion 5200」と、フルカラー、白色モデルが造形可能な「HP Jet Fusion 500」の2シリーズだ。 - 光学技術に強みを持つニコンが本気で作った“常識破り”の金属3Dプリンタ
ニコンは、金属材料の付加積層造形をはじめとした多様な金属加工機能を提供する光加工機「Lasermeister 100A」の販売を開始した。なぜ、ニコンが金属3Dプリンタを開発するに至ったのか? その背景や狙いについて開発担当者に聞いた。 - MSYS、試作からダイレクト製造まで可能なDesktop Metalの金属3Dプリンタを訴求
丸紅情報システムズ(MSYS)は「INTERMOLD 2019(第30回金型加工技術展)/金型展2019」で、Desktop Metalの金属3Dプリンタ「Studioシステム+」を用いた造形デモンストレーションを披露した。 - HPがフルカラー3Dプリンタなどを日本でも販売、金属3Dプリントサービスは2019年中を予定
日本HPは2019年1月23日、同社が開発する3Dプリンタ新製品「HP Jet Fusion 500/300シリーズ」を日本でも2019年中に本格展開すると発表した。HP Jet Fusion 500/300シリーズはオフィスユーズを想定しており、従来の同社3Dプリンタ製品と比較してコンパクトなことが特長である。 - いまさら聞けない 3Dプリンタ入門
「3Dプリンタ」とは何ですか? と人にたずねられたとき、あなたは正しく説明できますか。本稿では、今話題の3Dプリンタについて、誕生の歴史から、種類や方式、取り巻く環境、将来性などを分かりやすく解説します。 - 3Dプリンタは臨界点を突破したのか
新たなモノづくりの姿を示す象徴として「3Dプリンタ」は大きなムーブメントを巻き起こしている。しかし、3Dプリンタそのものは既に1980年代からある技術で過去には夢を追いつつも突破できない壁があった。かつての研究の最前線から今のムーブメントはどう見えるのか。東大名誉教授で現在は世界最大のEMSフォックスコンの顧問も務める中川威雄氏に話を聞いた。