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トヨタが考える東京五輪のラストワンマイルモビリティ、最高速度は時速19km電気自動車(2/2 ページ)

トヨタ自動車は「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」をサポートするために開発した専用モビリティ「APM」を発表。高齢者や障害者、妊娠中の女性や幼児などの来場者が、競技会場のセキュリティゲートから観客席入り口までといった“ラストワンマイル”の移動を快適に行えるようにする車両として開発された。

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最高速度が時速19kmの理由

 低速型EVということで、最高速度は時速19kmに設定した。これは、競技会場内で走行するための安全性確保に加えて、大会ボランティアによる運転を想定し、容易に運転ができるようにするという目的もある。また、最高速度は時速19km以下であれば、競技会場エリア間を公道を使って車両のみを移動させる(乗客は乗せない)ためのナンバー取得も可能だ。また、満充電からの走行距離は100kmで、AC100VもしくはAC200Vによる充電に対応している。

 なお、APMは運転手による手動運転が前提になっており、自動運転機能は搭載されていない。ただし、「インテリジェントクリアランスソナー」のような、誤発進抑制のための走行支援システムなどは搭載することになる見込みだ。

トヨタ自動車の谷中壯弘氏
トヨタ自動車の谷中壯弘氏

 APMの開発を担当したトヨタ自動車 ZEVファクトリー ZEV B&D Lab グループ長の谷中壯弘氏は「当社は『Mobility for All(全ての人に移動の自由を)』の実現に向けてさまざまな取り組みを進めている。そして、オリンピック・パラリンピック東京大会への貢献に向けて、競技会場エリア内という“ラストワンマイル”の移動をよりよくサポートできないかと考えた」と語る。

 同社は、2016年のリオデジャネイロ大会や2018年の平昌大会における移動支援の実情を視察するなどして、APMの開発に必要な仕様を策定した。また、オリンピック・パラリンピックの組織委員会をはじめとする関係各所との間で必要な仕様について相談した上で、開発を開始した。仕様が固まってから約1年半で、今回披露した車両を完成させることができた。「今後はテストイベントなどでの試用と改善を進めていき、東京大会でしっかり使ってもらえるように200台を生産、提供できれば」(谷中氏)としている。

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