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高精度地図に「年間1万6000円」、日産プロパイロット2.0の市販は2019年9月自動運転技術(2/2 ページ)

日産自動車は2019年7月16日、横浜市の本社で記者会見を開き、「スカイライン」の新モデルを発表した。2019年9月に発売する。車両のエンブレムは、これまでのインフィニティブランドのバッチから日産ブランドに戻した。

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差額の理由はデータ容量と高精度地図の維持管理

 高精度地図の更新は、長期休暇などクルマでの長距離移動が増える前のタイミングで、OTAによって年数回実施する予定だ。高速道路向けの運転支援システムのため、地図の鮮度を保つ頻度として必要十分だとしている。DMPやゼンリンによる高精度地図の更新を踏まえ、日産自動車側でも実走して確認する作業が発生することもあり、あまり高い頻度での更新にはならないようだ。

 高精度地図は、ドライバーの居住エリアから更新する。日産自動車の担当者は、「高精度地図はデータ容量が大きくなるため、例えば九州に住んでいる人の車両に北海道の高精度地図を更新するようなことはしない。ただ、九州から北海道に向かうような場合には、進んでいくにつれて、そのエリアの高精度地図を更新していく」と説明した。

 日産コネクトのプロパイロット2.0向けの機能は高精度地図の自動更新と緊急通報の2つ。日産コネクトの年間料金はプロパイロット2.0を搭載しないターボエンジンモデル向けの日産コネクトが6000円なので、プロパイロット2.0向けの2つの機能のために年間1万6000円の上乗せとなる。「差額があるのは、高精度地図のOTAで扱うデータ容量の大きさだけでなく、全国の高精度地図を包括してメンテナンスし、更新するため。今後の料金設定がどうなるかは現時点では何とも言えない」(日産自動車の担当者)。

 プロパイロット2.0向け機能の他にも、スマートフォンアプリとカーナビゲーションシステムの連携や、カーナビゲーションシステム用地図のOTAでの更新、テレマティクスサービス「カーウイングス」を改良した機能も日産コネクトに含まれている。OTAの仕組みはボッシュが提供した。カーナビゲーションシステム用の地図は走行中もルート案内に支障なく更新できるという。日産コネクトのスマートフォンアプリは、クルマを駐車した位置の表示や車両の施錠が行える他、乗車前や降車後の徒歩中のルート案内、カーナビゲーションシステムへの目的地の転送などに対応している。同アプリでは、地図情報としてGoogleマップを採用する予定だ。

「スカイラインらしい」走りも用意

 ダイレクトアダプティブステアリングは、チューニングの変更により、ステアリング切り始めの応答性を向上させ、ライントレース性を高めた。また、低〜中速域での操舵や、繊細な修正舵への過敏さを軽減しながら、クルマの応答性を向上した。

 ターボエンジンモデルの一部グレードには電子制御サスペンションをメーカーオプションで設定。走行シーンに合わせてサスペンションの減衰力をきめ細かく制御する。スポーティーな走行中の操縦安定性を高めるとともに、車体の揺れを低減して快適性も同時に実現したという。電子制御サスペンション、ダイレクトアダプティブステアリング、排気量3.0lのツインターボエンジンの組み合わせにより、「スカイラインらしい走りを実現した」(日産自動車 副社長の中畔邦雄氏)という。

新開発の排気量3.0lツインターボエンジン(左)。ステアバイワイヤシステムは制御を見直した(右)(クリックして拡大)

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