日産とモービルアイ、ゼンリンがレベル3の自動運転向け地図を共同開発:自動運転技術
日産自動車とMobileye、ゼンリンは2018年中に日本全国の高速道路を対象に自動運転用の高精度地図を作製する。
日産自動車とMobileye(モービルアイ)、ゼンリンは2018年中に日本全国の高速道路を対象に自動運転用の高精度地図を作製する。日産自動車が2019年にも導入するレベル3の自動運転システムに向けた取り組みとなる。高精度地図の競争領域として3社で独自に開発する。
消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2018」(2018年1月9〜12日、米国ネバダ州ラスベガス)で1月9日に実施したモービルアイのプレスカンファレンスでCEOのアムノン・シャシュア氏が明らかにした。日産自動車は、高速道路での車線変更を自動で行う自動運転技術「プロパイロット」の次世代版を投入する計画を既に発表しており、これに向けた共同開発となる。
日本の高精度地図の整備や実証、運営に関しては、自動車メーカーと電機メーカー、地図測量会社などが共同出資で設立した「ダイナミックマップ基盤」が中心となって協調領域となる分野に取り組んでいる。2018年度までに日本国内の高速道路合計3万kmの高精度地図を整備する目標だ。一方、今回の3社の取り組みは具体的な量産モデルをターゲットとした競争領域の開発となる。
モービルアイは、日産自動車とゼンリンのそれぞれと既に協力関係がある。日産自動車の自動運転技術「プロパイロット」向けの画像認識技術を提供している他、2017年4月には高精度地図の生成で協力することを発表。ゼンリンとモービルアイは、ダイナミックマップ基盤で開発した高精度地図をベースに、両社で連携して独自の開発を進めている。
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