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日産がクルマとソフトの両面を知る技術者育成を強化、研修施設を公開車載ソフトウェア(1/2 ページ)

日産自動車は2019年7月3日、車載ソフトウェア開発に関する社内研修施設「日産ソフトウェアトレーニングセンター」(神奈川県厚木市)を報道陣向けに公開した。日産は自動車工学に精通したソフトウェア開発人材の丁寧な育成で、競合他社との差別化を図る狙いだ。

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 日産自動車は2019年7月3日、車載ソフトウェア開発に関する社内研修施設「日産ソフトウェアトレーニングセンター」(神奈川県厚木市)を報道陣向けに公開した。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアード、電動化)がクルマの技術開発で大きな割合を占める中、日産は自動車工学に精通したソフトウェア開発人材の丁寧な育成で競合他社との差別化を図る狙いだ。

 同センターは日産と関連会社の技術者を対象とした研修施設で、2017年11月に開所した。現在は第5期目の授業期間中で、これまで累計147人の技術者が車載ソフトウェア開発のトレーニングを受けている。同センターのトレーニングを修了した技術者は、車載ソフトウェア開発について横断的な知見を持ち自業務で生かすことができるとする。


日産ソフトウェアトレーニングセンターで得られる知見(クリックで拡大) 出典:日産自動車

膨張する車載ソフトウェア、クルマとソフトを知る技術者が必要


日産自動車の豊増俊一氏

 日産ソフトウェアトレーニングセンターの設立に携わった同社 フェロー 電子・メカトロニクス車両開発 担当の豊増俊一氏は、CASEの進展によって車載ソフトウェアの規模が拡大の一途を遂げていることを紹介。「全てのECUで実行されている車載ソフトウェアのコードを積み上げると、2020年に登場するクルマはC言語のソースコードベースで5000万行規模になる」(豊増氏)とし、「ソフトウェアがクルマの競争力の源泉になる」と指摘する。

 そのような状況で、同社は「世界一流のソフトウェアエンジニアを育成する」(豊増氏)ことを目指し、クルマとソフトウェア開発の両方のスキルを持つ技術者の育成を開始した。同センターでは、自動車開発の経験があるエンジニアにはソフトウェア開発の基礎とプログラミングを、主に中途入社組となるソフトウェア開発経験のあるエンジニアには自動車制御理論や車載ソフトウェア特有の設計手法、ツールの使用方法を指導する。


日産ソフトウェアトレーニングセンターではソフトウェア開発スキルと自動車開発の知識を学ぶ(クリックで拡大) 出典:日産自動車

 指導体制の構築にはタタ・コンサルタンシー・サービシズが協力しており、CMMI(Capability Maturity Model Integration:能力成熟度モデル統合)やAutomotive SPICEといったソフトウェア開発プロセス改善の枠組みをベースとして教育カリキュラムが組まれている。受講生は勤務地を同センターに変更し、受講期間である約3.5カ月間は本来の業務から離れて車載ソフトウェア開発のトレーニングを受ける。

 14冊、2000ページ超の専用教科書が用意され、講師陣も車載ソフトウェア開発経験8年以上のエンジニア25人を擁している。量産車の車載ソフトウェア開発で用いるMATLAB、Simulink、dSPACEといった各種ツール、プロセスが受講生一人一人に用意され、実環境に近い形で開発業務のV字プロセスをゼロから経験することが可能だ。

左:日産ソフトウェアトレーニングセンターの概要 右:充実した教育環境を用意(クリックで拡大) 出典:日産自動車

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