富士電機がインド電源装置メーカーを買収、同国事業拡大に向け:製造マネジメントニュース
富士電機はインドの電源装置メーカーConsul Neowatt Power Solutionsを買収する。価格競争力を持つ製品と製造拠点、インド全域に広がる販売、サービス拠点を獲得することで、製造業やデータセンター市場を中心に同国での事業拡大を目指す。
富士電機は2019年6月20日、インドでのシステム事業拡大に向け、同国の電源装置メーカーConsul Neowatt Power Solutions(CN)を買収すると発表した。
買収の契約締結により、富士電機はCNの経営陣や投資ファンドなどが保有するCNの株式全てを譲り受ける。株式譲渡は同年8月末を予定している。また、新たに設立する会社の名称は「Fuji Consul Neowatt Power Solutions」となる。
CNはUPS(無停電電源装置)、電力安定化装置、高調波フィルタなどを開発、製造、販売している。本社所在地はインドのタミルナドゥ州チェンナイ市。従業員数は2019年4月30日時点で810名、2018年度の売上高は67億円だ(1インドルピー1.61円で換算)。
富士電機は、価格競争力を持つCNの製品と製造拠点、インド全域に広がる販売、サービス拠点を獲得することで、製造業やデータセンター市場を中心に同国での事業拡大を目指す。
富士電機がインドで特に注力するのは、エネルギーソリューション事業の立ち上げと地産地消に向けたものづくり体制の強化だ。
エネルギーソリューション事業では、エネルギーの安定供給や最適化のため、CNの電源装置と富士電機のエネルギーマネジメントシステムなどを組み合わせる。構築したソリューションは、電力の安定供給が求められるデータセンターや社会インフラ、工場などに提案していく。
富士電機が2009年に創業した富士電機インドは西部のムンバイ市に、2016年に設立したエンジニアリング会社のFuji Gemcoは北部のファリダバード市に、それぞれ工場を構えている。買収により、CNが持つ西部のプネ市、南部チェンナイ市の工場を獲得することで、インド各地に製造拠点を持つことができる。開発から部材調達、製造、品質保証まで一貫したものづくり体制を現地で構築することにより、生産、物流の効率化を図る。
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