小糸製作所が画像処理ベンチャーに2400万ドル出資、カメラ内蔵ヘッドランプへ:自動運転技術
小糸製作所は2019年6月25日、画像処理技術のベンチャー企業BrightWay Visionの株式を2400万(約25億7000万円)ドルで取得したと発表した。
小糸製作所は2019年6月25日、画像処理技術のベンチャー企業BrightWay Visionの株式を2400万ドル(約25億8000万円)で取得したと発表した。小糸製作所の出資比率は36.92%となり、BrightWay Visionは小糸製作所の持分法適用会社となる。画像処理技術とヘッドランプの組み合わせにより、高度運転支援システム(ADAS)や自動運転車の環境認識性能を高めていく。
BrightWay Visionは2011年に設立されたイスラエルの企業。2015年12月から小糸製作所と共同研究を実施しており、今回の出資で関係を強化する。BrightWay Visionが強みとするのは「ゲーテッドイメージング技術」だ。任意の距離の画像を撮影、合成処理して画像情報として取得する。例えば前方30m、60m、90m、120mのそれぞれの画像を合成することで、単体の画像では得られない情報を含んだ画像が得られるというものだ。周囲の暗さや、雨、霧など天候の影響を受けにくく、単眼カメラでも距離の測定が可能になるという。
小糸製作所は、ADASや自動運転車向けに周辺監視用センサーと一体化した自動車用ランプの開発を進めている。車両のデザイン性を損なわずにセンサーを車両に搭載できる点や、ランプのクリーニング機能を利用してセンサーの視界を保てる点がセンサー一体型ランプの強みだとしている。
ランプに組み込める小型センサーの開発は、外部の複数の企業と連携して行う。「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)では、ミリ波レーダーとソリッドステートLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)、単眼カメラをランプに組み込み、センシングのデモンストレーションを実施した。ソリッドステートLiDARではドイツのベンチャー企業Blickfeldと協力している。
ADASの高度化や自動運転システムにはセンサーフュージョンが不可欠となっている。車載の可視光カメラは天候の影響を受けやすく、単眼カメラでの正確な距離測定が難しいためだ。天候の影響を受けにくいセンサーとしてはミリ波レーダーやLiDARがあるが、単体では物体の識別ができないため、可視光カメラと併用する必要がある。
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