JEITA新会長にNEC会長の遠藤氏が就任、米中摩擦は「好ましい方向で落ち着く」:製造マネジメントニュース
電子情報技術産業協会(JEITA)は2019年5月31日、同月29日付で柵山正樹氏(三菱電機 会長)が任期満了で同協会 会長を退任し、遠藤信博氏(NEC 会長)が新たに会長に就任したことを発表した。
電子情報技術産業協会(JEITA)は2019年5月31日、同月29日付で柵山正樹氏(三菱電機 会長)が任期満了で同協会 会長を退任し、遠藤信博氏(NEC 会長)が新たに会長に就任したことを発表した。
就任会見に出席した遠藤氏は、2019年がJEITA発足から20年の節目を迎えたことに触れ、「IoT(モノのインターネット)やビッグデータ、AI(人工知能)の技術進展により、産業構造や社会構造が大きく変わりつつある。産業の垣根は崩れ、単一業界のことだけを考えて行動する時代ではない」と述べた。
同協会はITやエレクトロニクス系企業を主とする業界団体だが、近年では会員企業の多様性確保を重視している。2019年度からはJTBとセコムが新たに理事会社に加わり、業界を超えてSociety 5.0の実現に貢献する業界団体を目指す。遠藤氏は「JEITAは自らの変革を進めてきた。従来の業界団体から、共創を実現するプラットフォームへと変化しつつある」と強調した。
JEITAが主催者を構成する「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)についても言及し、「学生1万人の来場を目指す」(遠藤氏)とした。新企画である「Society 5.0 TOWN」の他、会場周辺を利用した実証実験などを計画し、「CEATECを産業界のオープンキャンパスに見立て、Society 5.0時代をけん引するIoT人材の育成を目指す」としている。
ファーウェイ問題「JEITAとして何か行動することはない」
米中貿易摩擦に関する一連の問題について、記者から印象を問われると遠藤氏は「(米中の)2国で交わされる議論は最終的に好ましい方向で落ち着くと考えている」と回答し、同問題が破局的な状況へ至ることはないとの認識を示した。米中両国がさらなる摩擦を引き起こした場合、「(両国は)自らの力も発揮できない状況に陥る。それを考えるとお互いが妥協したとしても不思議ではない」とも述べた。
また、華為技術(ファーウェイ)が米国の禁輸措置対象(エンティティリスト)に登録されたことについては、「JEITAとして何か行動することはない」(遠藤氏)。対応は個別企業の判断に委ねることを示唆した。
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