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フルカラー描画と消去が繰り返し行えるフィルムとレーザー照射技術を開発:材料技術
ソニーは、フルカラーでの描画と消去が繰り返し行えるフィルムと、それを高速で実施するレーザー照射技術を開発した。ユーザーの好みに合わせたデザインやカラーバリエーションを提供できる。
写真画質レベルの鮮やかな色彩を表現できる新開発フィルム
ソニーは2019年5月17日、フルカラーでの描画と消去が繰り返し行えるフィルムを発表した。併せて、それらを高速で実施するレーザー照射技術を開発した。ユーザーの好みに合わせたデザインやカラーバリエーションを提供できる。
新開発のフィルムは、レーザー光を熱に変換する光熱変換剤と、シアン、マゼンダ、イエローの各色を有するロイコ染料、熱で発色状態を変化させる材料などを配合、積層している。熱による発色状態の変化で描画するため、細かい濃淡で階調を表現する。段階的なドット表現とは異なり、写真画質レベルの鮮やかな色彩を表現できる。
また、非接触のレーザー光により、さまざまな形状での描画が可能。これまでの印刷技術では困難だった透明なガラスやプラスチック越しの描画にも対応し、素材本来の表面質感を保った状態で、デザインやカラーバリエーションを表現する。
描画を繰り返して行えるため、後からデザインや色を変更することも可能だ。加飾用途以外にも、フルカラーで繰り返し描画が求められるさまざま用途への応用を見込んでいる。
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