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DSPコアがChainerに対応、AIアプリケーション開発を促進:人工知能ニュース
Cadence Design Systemsは、Cadence Tensilica Vision Q6、P6、C5 DSPが、Preferred NetworksのChainer学習済みニューラルネットワークモデルに対応したと発表した。
Cadence Design Systems(ケイデンス)は2019年5月7日(現地時間)、Cadence Tensilica Vision Q6、P6、C5 DSPが、Preferred Networks(PFN)の深層学習(ディープラーニング)フレームワーク「Chainer」で学習したニューラルネットワークモデルに対応したと発表した。
両社は、Tensilica Neural Network Compilerを介して、Chainerで学習済みのニューラルネットワークモデルがCコードに変換され、Vision Q6、P6、C5 DSP上でシームレスに動作することを確認した。
さらに、ケイデンスはPFNの協力の下、Chainerで学習済みのニューラルネットワークモデルをDSPへ自動でポーティング(移植)できるようにした。これにより、Chainerを用いた高性能かつ低消費電力の推論デバイスの開発や、同デバイスの最適化を迅速に実施可能になった。AI(人工知能)の設計者は、手作業でモデル変換する必要がなくなることから、開発効率が向上する。
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