等身大のバーチャルキャラクターが警備、受付業務をするシステムを開発:人工知能ニュース
AGCなど4社は、等身大のバーチャルキャラクターが警備、受付業務をする「バーチャル警備システム」の試作機を開発した。2020年の発売を予定しており、これから本格化する人手不足時代のセキュリティニーズに応える。
AGC、セコム、ディー・エヌ・エー(DeNA)、NTTドコモは2019年4月25日、等身大のバーチャルキャラクターが警備・受付業務をする「バーチャル警備システム」の試作機を開発したと発表した。5Gの実用化を視野に、2020年の発売を予定している。
バーチャル警備システムは、AI(人工知能)を活用することで等身大のバーチャルキャラクターに警戒監視などの警備や受付業務をさせられるシステムだ。現実空間を映しこむ高反射率のミラーディスプレイ上に3Dモデルのバーチャル警備員を表示し、これまで常駐警備員が提供してきた警戒監視、受付などの業務を担う。
バーチャル警備員が捉えた映像や周辺状況は、リアルタイムで契約施設内の防災センターと呼ばれる監視卓に送信され、必要であれば常駐警備員が対応する。熟練した常駐警備員の能力とテクノロジーの融合により、新たな警備の在り方を提案する。
本システムは、契約施設の内部エントランスの入り口などに設置して使用することを想定。キャラクターは男性の「衛(まもる)」と女性の「愛(あい)」から選べ、用途によって使い分けられる。目配せなどにより周囲の警戒、監視を行い、犯罪抑止効果を発揮し、来訪者が顔をヘルメットなどで隠している場合はAIが認識し、外すように注意を促す。
話し掛けられると、音声、顔、持ち物を認識し、対応をAIが判断。キャラクターのイメージに合わせ、実際に語り掛けるような合成音声により自動で応答する。バーチャル警備員からの映像は監視卓で確認できる。
セコムがこれまで培ってきたセキュリティのノウハウに、AGC、DeNA、NTTドコモ各社の最新技術を掛け合わせた同システムの導入により、常駐警備員配置の効率化、コストを抑えながらの警備強化など、これから本格化する人手不足時代のセキュリティニーズに応える。
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