ERP導入により、基幹システムの更改および新サービスを開始:製造ITニュース
トラスコ中山は、SAPジャパンのERPと日本IBMのサービスを活用して、3つの業務改革を実施する。また、エンドユーザーが必要な時にすぐに同社のプロツールを使える新サービス「MROストッカー」の提供を開始する。
トラスコ中山は2019年3月28日、SAPジャパンおよび日本IBMと連携し、3つの業務改革と新サービス「MROストッカー」の提供を開始すると発表した。2020年1月の稼働を目指す。
改革テーマの1つ目は見積もり回答の自動化だ。現在、同社では1日数万件の見積もり業務を人手で対応しているが、先進技術を用いて同業務を自動または半自動化し、社内業務工数を大幅に削減する。これにより、取引先への迅速な回答が可能になり、サービスレベルが向上する。
2つ目として適正商品価格の算出手法を改革する。商品価格は商品特性や全国各地の取引先ごとに設定されており、膨大なマスタデータを現在は手作業で更新している。この更新業務を統計に基づいて自動算出することで、社内工数を減らし更新漏れを防ぐ。同時に、商品を常に適正価格で提供できる仕組みを構築する。
3つ目は仕入先との連携を強化するためのプラットフォームを構築する。従来は電話やFAXなどで人的対応を行っていたが、見積もりや納期確認など仕入先との業務を基幹系の仕組みと連携させた新プラットフォーム上にWebポータルを実装することにより、効率化とタイムリーな情報連携を図る。
MROストッカーはエンドユーザーの利便性向上を目的とした新サービスだ。プロツールを使用する工場や作業現場に隣接した場所に、同社取扱い商品を販売店経由で取りそろえる。ユーザーは必要な時にすぐに商品を使えるようになり、販売店は商品の即納が可能になる。
同サービスには今後、ICタグやスマートフォンを活用して注文や決済、在庫管理などの作業を容易にする仕組みや、膨大な顧客データや天候データを分析して現場に最適な商材を提供する機能が追加される予定だ。
これらの業務改革やサービス提供を実施する上で中心となるのが、SAPの最新ERP「SAP S/4HANA」、最新データウェアシステム「SAP BW4/HANA」だ。ソリューションの拡張やAI(人工知能)などを活用した新機能、社外連携機能は、SAPのIntelligent PaaSである「SAP Cloud Platform」上で開発する。
SAP S/4HANAの導入には、IBMのサービス「IBM Impact Assessment for SAP S/4HANA」を活用。同サービスはSAP S/4HANAへの移行の影響を網羅的に評価して、精緻な計画を立案できるため、円滑かつ迅速にシステムが構築可能だ。
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