PLCの未来像を描く「PLCnext」、用途別アプリなどを順調に拡大:ハノーバーメッセ2019
ドイツの産業機器メーカーであるフエニックス・コンタクトは、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、PLCの次世代の姿を描く「PLCnext」を出展。2018年末にオープンしたアプリストア「PLCnext Store」のアプリを活用した産業用途別の提案を行った。
ドイツの産業機器メーカーであるPHOENIX CONTACT(フエニックス・コンタクト)は、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、PLC(Programmable Logic Controller)の次世代の姿を描く「PLCnext」を出展。2018年末にオープンしたアプリストア「PLCnext Store」のアプリを活用した産業用途別の提案を行った。
PLCnext Technololgyとは
「PLCnext」は、PLCのオープン化と高度化を進め、オープンな制御プラットフォームの基礎を形成することを目指す取り組みとなる。工場などでスマートファクトリー化が進む中、PLCそのものも、従来の独自のPLC言語などによる閉じた世界ではなく「つながる化」と「オープン化」を実現できなければならない。そのためにオープンなコンピュータ言語を活用できる仕組みを目指し、従来のPLC用の言語と新たなコンピュータプログラム言語などを並行して使用できるような環境を目指している。
PLCはラダー言語などを使って開発される場合が多いが、「PLCnext」ではVisual Studio、Eclipse、MATLAB/Simulink、PC Worx Engineerなどの構築されたソフトウェアツールの活用に加え、IEC 61131-3およびC/C++とC#でのプログラミングコードの活用もできる。サードパーティーによる機能追加や、オープンソースコミュニティーによる開発など、オープンプラットフォームで制御領域の革新を進めている。
2017年のハノーバーメッセでα版のハードウェアが発表され、SPS IPC Drives 2017でリリースされた。さらにSPS IPC Drives 2018で新たな対応ハードウェアの発表に加え、PLCnextコントローラーで動作するアプリケーションパッケージ(App)が利用できるオンラインストア「PLCnext Store」のオープンが発表されている。
具体的な用途や課題解決で提案
ハノーバーメッセ2019では、これらのハードウェアとアプリを活用し、産業別や用途別などで実際に活用シーンに近づけた展示を数多く出展したことが特徴となる。
コントローラーの販売とオンラインストアが開始されてから4カ月という状況だが、「まだアプリの開発や提供を行うパートナーの強化を進めている段階だが、アプリそのものも順調に拡大してきている。また、新たな取り組みに多くの関心が集まっており、手応えは良い」(ブース説明員)としていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- PLCのオープン化進める「PLCnext」、新コントローラーとアプリストアで普及本格化
ドイツの産業機器メーカーであるPHOENIX CONTACT(フエニックス・コンタクト)は、PLCnext Technololgy搭載の高性能コントローラー「RFC 4072 S」を発売する。合わせてこれらのコントローラー向けのアプリストア「PLCnext Store」をオープンすることを発表した。 - PLCのAndroidを目指すフエニックス・コンタクト、「PLCnext」で目指す価値
ドイツのフエニックス・コンタクトは、ハノーバーメッセ2018において、新たなPLCの姿を模索する「PLCnext」を紹介。オープンでつながる世界にふさわしい制御機器の姿を訴えた。 - IEC 61131-3とPLCopenの目的とは
生産ラインに欠かせないPLC。そのPLCのアプリケーション開発効率化に役立つ国際規格「IEC 61131-3」およびそれを推進する「PLCopen」という組織をご存じでしょうか。本連載ではIEC 61131-3とPLCopenについて分かりやすく解説します。 - Motion Control FBの共通仕様と単軸の位置決め制御
PLCのモーション制御プログラム開発に貢献する「PLCopen Motion Control FB」。本連載ではMotion Control FBについてより深く掘り下げ、解説していく。第1回は共通仕様と単軸の位置決め制御について取り上げる。 - ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。 - “生みの親”が語るインダストリー4.0の本質とこれから
SAPジャパンは年次カンファレンス「SAP NOW」を開催し、基調講演プログラムの1つとして、ドイツの「インダストリー4.0」の提唱者でドイツ工業アカデミー評議会議長のヘニング・カガーマン氏が登壇。「インダストリー4.0とソサエティー5.0を推進するエンタープライズIT」をテーマにデジタル化がもたらす産業や経済の変化について訴えた。