リアルタイムOSやミドルウェアを統合した、組み込みAIとIoT向けSDK:人工知能ニュース
ユビキタスAIコーポレーションは、ルネサス エレクトロニクス製のマイクロプロセッサ「RZ/A2M」を使ったIoT機器開発を支援する「RZ/A2M TOPPERS/ミドルウェアSDKパッケージ」を発売した。
ユビキタスAIコーポレーションは2019年3月20日、ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)のマイクロプロセッサ「RZ/A2M」を使ったIoT(モノのインターネット)機器開発を支援する「RZ/A2M TOPPERS/ミドルウェアSDKパッケージ」を発売した。
RZ/A2Mは、ルネサスが組み込みAI(人工知能)「e-AI」の一環として提供するマイクロプロセッサ。独自のDRP(Dynamically Reconfigurable Processor)技術を搭載し、高速かつ低消費電力で、画像をリアルタイム処理する。スマート家電、サービスロボット、小型産業機器などの組み込み機器に対し、カメラを使った画像認識やAI機能を低消費電力で搭載できる。
今回発売したパッケージでは、シマフジ電機製の評価ボード「SBEV-RZ/A2M」で使用できるμITRON互換リアルタイムOS、TCP/IP、SDカードに加え、USBにも対応。DRPライブラリと統合し、DRPによるe-AI機器向けのアプリケーションや機能の開発を支援する。開発環境として、ルネサスの「e2studio」が使用可能になった。
また、DRPライブラリの評価・動作確認用「RZ/A2M 画像処理DRPライブラリ評価パッケージ」を無償で提供する。ユーザーはSBEV-RZ/A2Mを用意すれば、同評価パッケージからDRPライブラリを利用した画像処理や機能を確認できる。
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