デジタル化による製造現場の“現実的な革新”は何か、オムロンが実績をアピール:ハノーバーメッセ2019(3/3 ページ)
オムロンは、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、モバイルロボットによるコンベヤーレスライン、AIコントローラーによる「いつもと違う」を検出するソリューションなど、デジタル技術で製造現場を“現実的なレベルで”革新するソリューション群を披露した。
協働ロボットとAGVの組み合わせを提案
協業を発表した台湾テックマンの協働ロボットとモバイルロボットの組み合わせ提案なども紹介した。展示では物流施設をイメージしたピックアップの実演を行った。こちらは、2018年10月に開催されたロボットの国際大会「World Robot Summit 2018」でも出展したものだが、欧州では初めての出展となる※)。
※)関連記事:オムロンが描く真の人協働とは、重要なのは“ロボットではない部分”
このデモンストレーションのポイントは2つある。1つは、カメラによる認識とその情報を基にした判断をロボットが自律的に行い、その場その場で最適な動作を選択して作業を行っているという点である。そしてもう1つが移動できるという点を生かし、ハードウェアの汎用(はんよう)化を実現しているという点だ。
移動についてはモバイルロボットのLDシリーズが、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートを自ら考え、決められた場所に動く。ピックアップについては、協働ロボットのカメラで棚の右上部に取り付けたコードを認識。棚とロボットとの位置関係をまず認識する。その後、指定した物品のエリアにロボットアームを伸ばし、物品の状況を撮影して認識。つかみやすいものを選んでピックアップする。
その他、ばら積みピックアップのソリューション提案や、3次元X線検査装置なども提案。第5世代の卓球トレーニングロボット「フォルフェウス」なども人気を集めていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- オムロンが描く“現場”の力を最大化する自動化
オムロンは2018年8月28日、同社のモノづくり革新コンセプト「i-Automation(アイオートメーション)」への取り組みを紹介するととともに、そのモデル工場である京都府の綾部工場での自社実践の様子を紹介した。本稿では前編で「i-Automation」を中心としたオムロンのFA戦略の概要をまとめ、後編で自社実践を行う綾部工場での現場の取り組みをお伝えする。 - 「世界で最も現実的なインダストリー4.0」を目指すオムロンの勝算(前編)
オムロンはFA事業戦略を発表し、同社が考えるモノづくり革新のコンセプト「i-Automation」について紹介するとともに、これらのコンセプトを実践している同社草津工場の取り組みを紹介した。本稿では、前編で同社の考えるモノづくり革新の全体像を、後編で製造現場における実践の様子をお伝えする。 - AIコントローラーと“動く製造ライン”で、現実的な自律工場を具現化するオムロン
オムロンはハノーバーメッセ2018において、AIコントローラーおよび「i-BELT」の実働デモを披露するとともに、マスカスタマイゼーションのカギとされる“動く製造ライン”を披露し、注目を集めた。