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オムロンが描く“現場”の力を最大化する自動化オムロン 綾部工場レポート(前編)(1/2 ページ)

オムロンは2018年8月28日、同社のモノづくり革新コンセプト「i-Automation(アイオートメーション)」への取り組みを紹介するととともに、そのモデル工場である京都府の綾部工場での自社実践の様子を紹介した。本稿では前編で「i-Automation」を中心としたオムロンのFA戦略の概要をまとめ、後編で自社実践を行う綾部工場での現場の取り組みをお伝えする。

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 オムロンは2018年8月28日、同社のモノづくり革新コンセプト「i-Automation(アイオートメーション)」への取り組みを紹介するととともに、そのモデル工場である京都府の綾部工場での自社実践の様子を紹介した。本稿では前編で「i-Automation」を中心としたオムロンのFA戦略の概要をまとめ、後編で自社実践を行う綾部工場での現場の取り組みをお伝えする。

オートメーションに特化してきたオムロンの歴史

 オムロンは、創業者の立石一真氏が「機械にできることは機械にまかせ、人間はより創造的な分野での活動を楽しむべきである」という考えを示していた通り、モノづくり現場やさまざまな社会課題に対するオートメーション化に60年以上力を注いできた企業である。

 その中で、同社がモノづくり革新コンセプトとして打ち出しているのが「i-Automation」である。「i-Automation」の「i」は「Innovation(革新)」の意味で、文字通り製造現場の自動化を革新するという取り組みである。これを実現するために3つの方向性での取り組みを進める。「integrated(制御進化)」「intelligent(知能化)」「interactive(人と機械の協調)」である。

 「制御進化」は超高速、超高精度の機械制御による生産性向上への取り組みで、「知能化」はデータの最大活用による進化するモノづくりの実現への目指すものだ。さらに「人と機械の協調」は、協働による超柔軟性を実現するというものである。

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オムロンのモノづくり革新コンセプト「i-Automation」(クリックで拡大)出典:オムロン

モノづくり現場に共通する課題

 これらのモノづくり現場の革新には、IoT(モノのインターネット)を含むIT(情報技術)の活用が欠かせないが、オムロンではこれらの上位のITシステムなどについては、外部パートナーとの協業を進め、オムロン自身は製造現場での機器やサービス、ソリューションの開発や展開に特化していることが特徴である。

 オムロン 商品事業本部 綾部工場長の辨官達也氏は「モノづくり現場の情報を高度で表した場合、センサーなどを使用する作業領域は高度1mで、これらを制御し情報収集するコントローラーなどが高度10mとなる。オムロンではこの高度1〜10mの領域をターゲットと位置付けて強化に取り組んでいる」と考えについて述べている。

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オムロンが考える高度1〜10mのモノづくり革新(クリックで拡大)出典:オムロン

 オムロンは、さまざまなオートメーション関連機器によってモノづくり現場の革新を推進する企業ではあるが、自社の活動を振り返ると、これらの革新が必要なモノづくり現場を数多く抱える製造業でもある。同社が提案を進める顧客企業と同様に、同社のモノづくり現場も、需要変動への柔軟な対応やコスト競争力、人材確保、グローバル安定供給など、共通の課題を抱えている。

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オムロンのモノづくり現場での課題(クリックで拡大)出典:オムロン

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