デジタル化による製造現場の“現実的な革新”は何か、オムロンが実績をアピール:ハノーバーメッセ2019(2/3 ページ)
オムロンは、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、モバイルロボットによるコンベヤーレスライン、AIコントローラーによる「いつもと違う」を検出するソリューションなど、デジタル技術で製造現場を“現実的なレベルで”革新するソリューション群を披露した。
「普段と違う」を発見するAIコントローラー
AI搭載マシンオートメーションコントローラー(以下、AIコントローラー)および「i-BELT」の実働デモも2018年に引き続いての紹介となった。産業用ロボットが、ベルトコンベヤーで回る容器に液体を注入するという装置で、このロボットとベルトコンベヤーの制御をAIコントローラーで行うとともに、これらの機器から得られた情報をリアルタイムで収集。複数のセンシング項目を複合的に評価し「普段と異なる」状況を発見するというデモンストレーションである。
エッジ側で処理するため高いリアルタイム性を持ち、不具合を未然に防止することが可能となる。加えて、「普段と異なる」を見つけるので、異常データを大量に学習させる必要がなく、通常運転のデータを一定期間収集するだけで簡単に異常発見を行えるということが特徴である。
AIコントローラーはハノーバーメッセ2018の段階ではまだ欧州では販売されていなかったが、2018年11月から欧州でも販売を開始。引き合いは強いという。オムロンヨーロッパ 欧州R&Dマネージャーのティム・フォアマン(Tim Foreman)氏は「単独で販売してすぐに使えるというものではない。どういうデータを取得すべきなのかどう活用すべきなのかを作り込まなければならないため、現在はパイロット的にいくつかの顧客と導入に向けての準備を進めているところだ。ただ、不具合などの要因分析については高いニーズがあり関心を集めている」と手応えについて語っている。
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