AIを活用し、病態変化を捉える測定データ解析を産学共同で研究:医療機器ニュース
大分大学とオーイーシーは、AI活用をテーマとした包括共同研究提携による共同研究「病態変化を捉える光センシング技術とそのデータ解析手法の開発」を開始した。
大分大学は2019年3月1日、オーイーシー(OEC)と共同で、AI(人工知能)を活用した「病態変化を捉える光センシング技術とそのデータ解析手法の開発」を開始したと発表した。2018年4月のAI活用を軸とする包括共同研究提携に基づくもので、将来的には、医師の組織診断を支援する装置開発を目指す。
一般的に病態変化は、組織を採取して固定・染色したものを顕微鏡で観察する病理診断によって診断する。しかし、組織の採取は患者の負担となる他、診断に手間と時間、専門的知識・技術を要する。
大分大学では、2016年度より徳島大学と共同で、光センシング技術を用いて生体組織の病態変化を捉える研究に取り組んでいる。ラマン散乱光の分光分析は、物性研究分野では実用化されているが、複数種類の分子で構成される細胞・組織からのラマン散乱光によって正常組織と病態組織の違いを捉えることは難しい。それを可能にするには、実験で収集されるデータが膨大となること、解析にはサンプルの個体差による取得データの差異を考慮する必要があるといった課題があった。
今回の研究では、こうした課題に対応するため、光センシング技術とAIを活用した測定データ解析の研究を実施する。その成果を応用して、医師の組織診断を支援する装置の開発を進める。
大分大学では、同大学理工学部で測定機器の開発と基礎データを取集し、同大学医学部で動物実験によるデータを収集する。動物実験でのデータ収集は、徳島大学でも一部実施する。OECは、同社のAIを活用したデータ解析手法を提供。動物実験で得られたデータの解析と、データ収集を簡便にするツールの開発やデータ解析ソフトウェア開発をする。
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