電子タグによる情報共有システムの運用実験、在庫可視化などを目指す:製造マネジメントニュース
経済産業省は、電子タグを用いた情報共有システムの運用実験を開始した。サプライチェーンの各場面で実験対象商品に貼付された電子タグを読み取り、取得したデータを連携させることで、在庫の可視化や食品ロスの削減などを目指す。
経済産業省は2019年2月12日、電子タグを用いた情報共有システムの運用実験を開始した。メーカーや卸売、小売、家庭など、サプライチェーンの各場面で実験対象商品に貼付された電子タグを読み取り、取得したデータを連携させることで、在庫の可視化や食品ロスの削減などを目指す。
今回の実験では、「サプライチェーンのプレーヤー間の連携」「店舗と生活者との連携」「電子タグを用いた家庭内サービスの体験」という3つの実験を実施する。
プレーヤー間の連携では、メーカーや物流センターで実験対象商品に電子タグを貼り、流通過程で入出荷される際に電子タグを読み取る。そのデータを実験用に構築した情報共有システムに蓄積し、在庫情報を可視化する。モニター家庭でも電子タグを読み取り、家庭内での電子タグの活用方法や新サービスについても検討する。
店舗と生活者との連携では、コンビニエンスストアやドラッグストアで「ダイナミックプライシング」と「広告最適化の取り組み」を検証する。
ダイナミックプライシングでは、商品棚に設置したリーダーが自動的に電子タグを読み取り、消費、賞味期限が迫っている商品を特定。該当商品を購入すると現金値引きかポイント還元を受けられることを実験参加者へ通知し、食品ロスの削減につなげる。また、来店者が手に取った商品の電子タグを読み取り、商品棚に設置したサイネージから、該当商品の情報などを流すなど、広告最適化の取り組みを実施する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- RFIDタグメーカーだった村田製作所、RFIDソリューションベンダーに生まれ変わる
村田製作所は「第20回自動認識総合展」において、これまでも提案してきたUHF帯RFIDタグに加えて、リーダーで読み取ったデータを基幹システムで利用できるようにする「RFIDミドルウェア」や、収集したデータの見える化を行うクラウドベースの「BIダッシュボード」などを展示した。 - 飲料容器へのRFIDタグ貼り付けを自動化、遮断扉なしのゲート型RFIDリーダーも
凸版印刷は、「第20回自動認識総合展」において、紙製の飲料容器であるカートカンへのRFIDタグの自動貼り付けや、ゲート型RFIDリーダーによる一括読み取りなど、同社グループ製品によるデモンストレーションを披露した。 - 24時間営業で食品を無人販売、RFIDタグは買い手と売り手に便利なのか
三菱地所とSAPジャパンは2019年2月1日、新規ビジネス創出に向けて協業するためのシェアオフィス「Inspired. Lab」を東京都千代田区の大手町ビルに開設したと発表した。Inspired. Labに参画する大企業とスタートアップ企業は、三菱地所とSAPジャパンが提供する施設やメンターによるサポートを利用しながら、協働することができる。 - レジ自動化はどこまで可能か、生体認証やRFID、画像認識でレジレスにたどり着け
「リテールテックJAPAN 2018」で注目を集めたのが、レジの自動化につながるソリューションの展示だ。NEC、富士通、日立製作所、SCSK/サインポスト、ヴィンクス/パナソニック、大日本印刷のレジ自動化関連の展示についてレポートする。 - RFIDを用いた次世代物流サービスの実用化に向けた協業
大日本印刷は、RFID(ICタグ)を用いた次世代物流サービスの実用化に向けて、東芝テック、日立物流と協業を開始した。製造地でRFIDを貼付することで、それ以降の製造拠点や物流センター、店舗などのあらゆるプロセスで活用できる。 - ボルト締結作業のトレーサビリティーをRFIDで確保、KTCが「デジラチェ」で実現
京都機械工具(KTC)は、「CeBIT 2017」において、自動車整備などで行われるボルト締結作業のトレーサビリティーをRFIDで確保するソリューションを披露した。