ダッソー、3DEXPERIENCEプラットフォームに自動運転の試験機能を統合:製造マネジメントニュース
ダッソー・システムズは、同社の「3DEXPERIENCEプラットフォーム」に、イスラエルのCognataが開発した自動運転シミュレーションスイートを統合するため、パートナーシップを締結した。
ダッソー・システムズは2019年1月8日、イスラエルのCognataとパートナーシップを締結したことを発表した。同社の「3DEXPERIENCEプラットフォーム」にCognataが開発した自動運転シミュレーションスイートを統合することで、安全な自動運転車の市場投入までの期間を短縮する。
Cognataが提供する製品シミュレーションソリューションは、深層学習機能を搭載している。これにより、自動運転車の開発時に必要となる、地理的位置や交通パターン、天候条件などの多様なシナリオを大量に実行できる。
これをダッソーの3DEXPERIENCEプラットフォームに組み込むことで、自動運転車の開発企業は、同プラットフォーム上で自動運転の要件定義、テスト、顧客体験の検討などの開発サイクル全体を検証可能になる。
自動運転において安全走行とみなすためには、バーチャル空間での数十億km規模の走行実績が必要になる。そのため、自動車の動作やセンサー、交通量までを対象としたAI(人工知能)によるシミュレーションにより、構想段階での代替設計案のテストや適切なエンジニアリングソリューションの特定が可能になる。
併せて、ダッソーの3D CAD「CATIA」で展開するシステムズエンジニアリングロールやアプリケーションを活用することで、自動運転車の設計、エンジニアリング、シミュレーション、プログラム管理を包括する統合環境を提供可能になるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 航空機部品の開発に直感的3Dアプリケーションを活用
ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCEプラットフォーム」を、GEアビエーションが採用した。GEのハンブル工場では、設計段階に加え、製造、認定検証の工程でもデジタル3Dモデリングを活用し、高性能の航空機部品を開発するのに役立てている。 - 外資CADベンダー各社の“推し技術”に違いあり、ポリゴンとソリッドの歩み寄りも
2017年6月21〜23日、東京ビッグサイトで開催された「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」に出展していた、外資系の主要CADベンダーや国産CADベンダーの展示製品や傾向について、IoT(モノのインターネット)、AR/VRといった技術キーワードも交えて紹介する。 - ダッソーが格子ボルツマン法のExaを買収、3DEXPERIENCEで利用可能に
仏Dassault Systèmesは、米Exa Corporationの買収について合意に至ったと発表した。「3DEXPERIENCE」プラットフォームにExa Corporationの格子ボルツマン法による流体解析技術が加わり、シミュレーションのポートフォリオが強化される。 - “CADだけ”から脱却、“体験基盤”でデジタル変革パートナー目指すダッソー
ダッソー・システムズは2018年の事業方針を説明。同社が展開するモノづくりプラットフォーム「3DEXPERIENCEプラットフォーム」を基軸に成長を加速させる方針を示した。また、マーケットプレースなど新たなビジネスモデル創出にも取り組む。 - 自動車工場の再稼働事業に際し、統合プラットフォームを採用
ダッソー・システムズは、同社の3DEXPERIENCEプラットフォームをイタリアの自動車サプライヤーBlutecが採用したと発表した。閉鎖していた自動車工場をハイブリッド車やEV車の製造向けに転用する再稼働事業に活用する。 - 総合エネルギー企業がデジタル変革の基盤として統合プラットフォームを採用
Dassault Systèmesは、Exxon Mobilがデジタル変革の基盤として3DEXPERIENCEプラットフォームを採用したことを発表した。散在するデータを一元化し、そこからより大きな価値を引き出せるようになる。