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AIを活用し、家電ごとの電力使用量を高精度で推定する技術を開発:人工知能ニュース
三菱電機は、自社のAI技術を使い、スマートメーターで計測した住宅全体の電力使用量から、家電ごとの電力使用量を高精度で推定する「家電ごとの電気の使い方見える化技術」を開発した。
三菱電機は2019年1月29日、自社のAI(人工知能)技術「Maisart(マイサート)」を使い、スマートメーターで計測した住宅全体の電力使用量から、家電ごとの電力使用量を高精度で推定する「家電ごとの電気の使い方見える化技術」を開発したと発表した。電力会社による新たな電力データ活用サービスの提供や、家庭での省エネ意識の向上への貢献が期待される。
推定方法は、事前にモニター住宅で計測した住宅全体や家電ごとの電力使用量、さらに家族構成や保有家電などの属性情報を基に、AIが3段階のクラスタリングを実施。日々の行動時間などの変動をAIが補正し、家電ごとの電力使用量の特徴が類似する住宅をグループ化することで、典型パターンを作成する。最も類似する典型パターンをAIが自動選択するため、実績値との誤差を抑えた高精度の推定が可能になる。
推定にはスマートメーターの計量値を活用するため、新たな計測器の取り付けは不要だ。従来の電流センサーなどの計測器による推定方法と比べ、蓄積データ量を1%以下に抑制できる。
同技術は、東北電力が2018年7月から実施している実証実験「よりそうスマートプロジェクト」の省エネアシストサービスに採用されている。
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