バルブスプリングや電動パワステ、品質問題相次ぐスバルは減収減益の見通し:製造マネジメントニュース
SUBARU(スバル)は2019年2月7日、東京都内で会見を開き、2019年3月期第3四半期累計(2018年度4〜12月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.5%減の2兆3774億円、営業利益は同49.8%減の1536億円、当期純利益は同22.7%減の1182億円で減収減益となった。2018年11月に届け出たエンジン部品のリコールなどによる品質関連費用が増加し、利益を押し下げた。
SUBARU(スバル)は2019年2月7日、東京都内で会見を開き、2019年3月期第3四半期累計(2018年度4〜12月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.5%減の2兆3774億円、営業利益は同49.8%減の1536億円、当期純利益は同22.7%減の1182億円で減収減益となった。2018年11月に届け出たエンジン部品のリコールなどによる品質関連費用が増加し、利益を押し下げた。
2019年3月期通期の業績見通しは、2019年1月に発生した電動パワーステアリングの不具合に伴う工場の稼働停止の影響を織り込み、下方修正した。2018年11月に発表した業績予想から、売上高は900億円減の3兆1200億円、営業利益は350億円減の1850億円、当期純利益は270億円減の1400億円とし、前期比で減収減益となる見通しだ。営業利益の増加要因として研究開発費の減少が挙げられているが、新型車開発のサイクルに伴う一時的なものであり、今後も研究開発費を抑制するものではないとしている。
2019年3月期第3四半期累計の営業利益は、原価改善でカバーしきれない材料費の高騰や売上構成差などの減益要因もあったが、利益を大きく押し下げたのはクレーム費593億円だ。このうち550億円がエンジン部品のバルブスプリングの不具合だ。対象台数は日本で約10万台、海外で約31万台に上った。クレーム費には完成検査問題に関連した費用も含まれている。
2019年3月期第3四半期累計の全世界連結販売台数は、前年同期比5.0%減の76万2000台だった。国内は2018年7月に全面改良した「フォレスター」の販売が好調だったものの、フルモデルチェンジから2年目以降の車種で販売が減少し、前年同期比17.1%減の9万8000台となった。海外の合計販売台数は同2.8%減の66万4000台だった。北米市場で販売を開始した新型車「アセント」や、「XV」の好調が持続して堅調に推移したものの、フルモデルチェンジ前のフォレスターの出荷台数減少や、米国の現地での在庫調整により、前年同期比で販売台数は減少した。
2019年3月期通期における生産、販売の連結台数は100万台を割り込む見通しだ。2018年11月に発表した計画値から、生産台数は米国で2600台減の37万7200台、国内が4万台2900台減の61万5800台に引き下げた。スバル 取締役専務執行役員 CFOの岡田稔明氏は「決して台数だけを追うのではない。品質を確保できるタイミングで台数を増やすようにしていく」と述べた。
国内の生産台数減少は、2019年1月16日夜から同月28日まで群馬製作所の操業を停止したことの影響が大きい。2018年12月下旬から2019年1月16日までの間に群馬製作所で生産しているフォレスターやXV、「インプレッサ」の電動パワーステアリングについて、コントロールユニットの端子部の製造条件が不適切で、回路が絶縁されずに導通するものがあった。これにより、パワーステアリングのアシスト機能が停止する恐れがあった。これを受けて、スバルは2019年1月31日に約780台を対象にリコールを届け出た。
群馬製作所は2018年度内にフル稼働に回復する見通し。生産、販売台数の減少について、岡田氏は「挽回したい思いはあるが、品質を担保して生産するのが大前提だ」とコメントした。
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