リコールで営業利益が計画から半減、折れるバルブスプリングは材料への配慮不足:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
SUBARU(スバル)は2018年11月5日、東京都内で2018年4〜9月期(2019年3月期第2四半期)決算を発表した。売上高は2018年8月に発表した計画をわずかに上回ったものの、前年同期比では7.5%の減収だった。利益面では大規模なリコール費用が影響し、営業利益や当期純利益は計画と前年同期の実績を大きく下回った。
SUBARU(スバル)は2018年11月5日、東京都内で2018年4〜9月期(2019年3月期第2四半期)決算を発表した。売上高は2018年8月に発表した計画をわずかに上回ったものの、前年同期比では7.5%の減収だった。利益面では大規模なリコール費用が影響し、営業利益や当期純利益は計画と前年同期の実績を大きく下回った。営業利益は計画比で50.0%減、前年同期比で74.1%減となる。同年11月に届け出たバルブスプリングのリコール費用や、完成検査問題に関連した追加のリコールが利益を押し下げた。
2019年3月期通期の業績については、販売台数の減少と品質関連費用の増加を織り込んで、売上高は前年比0.7%減の3兆2100億円、営業利益は同42.0%減の2200億円、当期純利益は同24.2%減の1670億円を見込む。2018年8月時点に発表した業績見通しから営業利益は26.6%減、当期純利益は24.0%減となる。
日本の新しい塗装工場や、米国での新型車の生産を品質を確保しながら慎重に進めるため、2019年3月期通期の生産台数は2018年8月時点での計画より絞る。国内生産では、完成検査問題を受けた再発防止策の推進も影響している。米国の生産が計画比で1.1%減の37万9700台、国内生産が同2.3%減の65万6100台、合計では同1.9%減の103万5800台となる見通しだ。
完成検査で10万台の追加リコール
2018年4〜9月期の決算では、完成検査問題に関する追加リコールで65億円、エンジンのバルブスプリングのリコール費用550億円が大きな減益要因となった。
完成検査問題に関して、スバルは2018年10月11日にリコールを届け出ていた。2017年12月14日から同年同月29日の間に生産された現在の生産車種全てがリコール対象となった。対象台数は合計で6124台で、リコール費用は約4億円となる。この時、完成検査員の証言を基にリコール対象期間を2017年12月29日までとしていた。
しかし、2018年10月16日以降で国土交通省の立ち入り検査を受け、不適切な完成検査が行われていた時期について、社外の第三者が2018年9月28日にまとめた調査報告書の記述の一部と整合性が取れないことが判明した。
国交省の指摘を受けてスバルが調査した結果、第三者の調査で得られた供述よりも後の期間である、2018年9〜10月まで不適切な完成検査が行われていたという証言を得た。また、第三者の調査チームが報告書に記載しなかった検査項目でも不適切な検査が実施されていた。これらを踏まえ、完成検査の一律性や一貫性が確保されていないと判断し、追加のリコールを実施する。
これにより、2018年1月9日〜同年10月26日の間に生産された日本国内向けの全車種10万台について、指定整備工場で完成検査と同じ内容の点検と、自動車検査員による確認を行う。同年11月8日に国土交通省に届け出る。これによるリコール費用で65億円を見込む。追加リコールの対象期間については、同年10月29日以降、一切の不適切な検査が発生していないことを終日稼働を停止して確認した上で決定した。
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