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FPGA向け軽量AIソリューションの画像解析機能を提供開始:人工知能ニュース
PALTEKとハカルスは、共同開発したFPGA向けAIソリューション「HACARUS-X Edge」の提供を開始した。クラウドに接続しなくてもオフラインで動作し、エッジ側で学習と推論の両方が実行できるため、機器のセットアップやメンテナンスを簡略化する。
PALTEKは2019年1月17日、ハカルスと共同開発した、FPGA向けAI(人工知能)ソリューション「HACARUS-X Edge」の提供を開始したと発表した。クラウドに接続しなくてもオフラインで動作し、エッジ側で学習と推論の両方が実行できるため、機器のセットアップやメンテナンスを簡略化する。
同ソリューションは、ザイリンクスのSoC「Zynq UltraScale+ MPSoC ZCU104」評価キットに、HACARUS-Xを移植して開発した。HACARUS-Xは、深層学習を使わず、少ないデータから特徴を抽出するスパースモデリング技術を機械学習に応用した軽量AIパッケージだ。
両社はHACARUS-X Edgeの第1弾として、画像解析をターゲットとした機能を提供する。カメラを接続すれば、製品の外観検査や施設内の監視、訪問者の統計情報の取得、交通量の監視など、産業用途に向けた解析を開始できる。AIソリューションはハカルス、評価キットはPALTEKが提供するが、モニターはユーザーが用意する必要がある。
なお、過去にZynq UltraScale+ MPSoC ZCU104評価キットを購入した法人ユーザーは、同年3月末までHACARUS-X Edgeを無償で利用できる。
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