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NECが協働ロボットのインテグレーターに、「匠」によるライン設計が違いを生む:協働ロボット(3/3 ページ)
NECは、玉川事業所(川崎市中原区)内にある「NEC DX Factory共創スペース」で会見を開き、次世代のモノづくりを具現化するコンセプト「NEC DX Factory」の展開を説明。併せて、生産ラインのスループット向上を支援する「ロボット導入トータルサポートパッケージ」の販売を開始すると発表した。
価格は1200万円から、2021年度までに150億円の売上高を見込む
NECはロボット導入トータルサポート“パッケージ”と呼んでいるものの、自身が協働ロボットのメーカーでない中で、協働ロボットメーカーと連携して協働ロボットの導入を進めて行くということは、実質的に協働ロボットのインテグレーターになると言っていいだろう。松下氏は「状況によっては、他のロボットインテグレーターに協力を仰ぐ場合もあるが、基本的にはNECがロボットインテグレーターとして事業を進めることになる」と説明する。
同パッケージの価格は1200万円から。2019〜2021年度まで3年間のNEC DX Factoryの事業目標1500億円のうち10%を占める、150億円の売上高を見込む。中堅以上の組み立て製造業を対象に、顧客の目標社数は100社となる。
組み立て製造業の生産ラインにおけるロボット導入には、ライン設計などを含めて一般的に約6カ月かかるといわれている。「この6カ月のうちライン設計などに4カ月ほどかかる。今回のパッケージを使うことで、この4カ月分の作業が不要になるという導入効果が得られるだろう」(松下氏)。
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