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スマート工場の理想像をみんなで描く、NECが共創型体験施設を開始スマートファクトリー

NECは2018年6月14日、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など先進技術を活用して、次世代モノづくりを具現化する共創型体験スペース「NEC DX Factory」をNEC玉川事業場(川崎市中原区)内に開設した。

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 NECは2018年6月14日、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など先進技術を活用して、次世代モノづくりを具現化する共創型体験スペース「NEC DX Factory」をNEC玉川事業場(川崎市中原区)内に開設した。

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NECが新たに開設した次世代モノづくりを具現化する共創型体験スペース「NEC DX Factory」の様子(クリックで拡大)

次世代モノづくりの理想像を共創により実現

 NECでは、2012年に製造業支援プログラム「ものづくり共創プログラム」を開始。その後、製造業向けのIoT活用を体系化した「NEC Industrial IoT」を2015年に発表し、一貫して新たなモノづくりの姿を訴求してきた。「ものづくり共創プログラム」に参加するメンバーは2018年5月時点で1143社、4305人にもおよび、毎週何らかの情報交換が行われているという。

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NEC 執行役員の松下裕氏

 これらの製造業向けコミュニティー活動を進める中で、実際に「一連の製造ラインの流れを体感できる場が必要」との声が高まってきたことから、今回新たに「NEC DX Factory」を設立した。

 NEC 執行役員の松下裕氏は「製造業IoTの動きは実証から実践へ進んでおり、実際にビジネスレベルで活用する動きも広がってきている。しかし、内容を見てみると製造ラインの中でも、一部のラインだけだったり、一部の工程でだけだったりで、データを取得しているケースが多い。本来は工場の全てのデータを一元的に管理しバーチャルの世界でリアルの工場ラインを再現できるデジタルツインの世界が理想である。その理想の姿を実現するための検証や共創の場が必要だと考えた」と「NEC DX Factory」設立のきっかけについて述べている。

 「NEC DX Factory」は、NECとNECのパートナー企業、団体などの先進技術や製品などを持ち込んだり、NEC自身のモノづくり革新ノウハウを組み合わせたりし、次世代のモノづくりの在り方を実際に体験することが可能だ。部品投入、加工、組み立て、検査の4つの工程で構成される製造ラインに、AIやIoT、生体認証などの先進技術を活用した次世代モノづくりの構築が行える。

次世代モノづくりの11のソリューション

 2018年8月から本格オープンとなるが、現状ではNECのソリューションをベースに次世代モノづくりの姿を再現した製造ラインを用意している。松下氏は「NEC DX Factorには3つの目的がある。1つ目は顧客との共創の場であること。2つ目が先進技術の検証の場であること。そして、3つ目がここで得られた成果をNECグループのものづくり革新にも生かすということだ」と述べている。

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「NEC DX Factory」に採用されている11のソリューション(クリックで拡大)出典:NEC

 具体的には、オムロンの「モバイルロボット(AGV)」を利用したコンベヤーレスラインや、プリント基板の物体指紋を認証する「個体識別情報管理ソリューション」、人の作業をプロジェクションマッピングで指示する「人作業ナビゲーション」、AIを活用して負担なく不具合品を発見できる「AI Visual Inspection」などを導入した生産ラインを用意している。

photophoto AGVにより自律的に工程間をロボットが移動(左)、人作業はプロジェクションマッピングにより作業指示(右)(クリックで拡大)
photophoto 物体指紋認証技術によりプリント基板の個体認証を行う様子(左)と認証した様子(右)(クリックで拡大)

 これらの生産情報を、一元的に「モノづくりデータベース」で集約していることが特徴となる。「個々のソリューションだけを見ていると、全体最適は実現できない。検査の自動化なども、データを一元的に管理しておけば、すぐにそのデータから学習し、精度の高い検査が行えるようになる」と松下氏は価値について述べる。

 今後はより多くの企業との協業を進め次世代モノづくりの在り方を模索する。「個々の技術の検証だけでなく、モノづくりのプロセスを検証する場としていく。多くの企業に参加してもらい、最適なモノづくりの姿を発信していきたい」と松下氏は述べている。

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