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ガラス基板を利用した静電容量式ガラス指紋センサーの量産開始:組み込み開発ニュース
ジャパンディスプレイは、住宅や車のスマートドアロック向けにガラス指紋センサーの量産を開始する。大面積、透明、フレキシブルといった次世代の指紋センサーデバイスの開発が期待される。
ジャパンディスプレイは2018年12月20日、住宅や車のスマートドアロック向けに、静電容量式ガラス指紋センサーの量産を開始すると発表した。従来のシリコンベースのセンサーに比べてコストを低減し、大面積、透明、フレキシブルといった次世代の指紋センサーデバイスの開発につながる。
同センサーは、スマートフォン向けに展開してきたLTPS(低温ポリシリコン)バックプレーン技術とタッチパネル技術を応用。加えて、指紋の凹凸による静電容量の変化を検出する技術など、指紋センサー用の駆動技術や認証アルゴリズムを開発し、同センサー技術を量産レベルまで高めた。これによって今回、スマートドアロック向けに採用され、量産開始が決定した。
ガラス基板は、シリコン基板に比べて指全体を検出可能な大型サイズの指紋センサーを低コストで製造できる。そのため、信頼性の高い個人認証が必要とされる住宅や自動車のセキュリティへの適応が期待される。
今後は、ガラス指紋センサーの特長を生かし、バックライトやフレキシブルディスプレイと組み合わせるなど、透明性・柔軟性を備える製品の開発を進める。
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