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ペン書きの“点”を識別タグに、NECの画像認識技術「マイドット」製造業IoT(1/2 ページ)

NECは、市販のデコレーションペンで書いた直径約1mm程度の点(ドット)をカメラで撮影し、個々のドットを個別に識別できる技術「マイドット(識別ドット)」を開発した。今後は、マイドットを活用するサービス事業者などとの連携を進め、早ければ2019年内の事業化を目指す。

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 NECは2017年7月19日、東京都内で会見を開き、市販のデコレーションペンで書いた直径約1mm程度の点(ドット)をカメラで撮影し、個々のドットを個別に識別できる技術「マイドット(識別ドット)」を開発したと発表した。バーコードが貼り付けられない超小型の電子部品の識別タグやモノの貸し借り/持ちだしの物品管理タグなどへの応用を想定している。今後は、マイドットを活用するサービス事業者などとの連携を進め、早ければ2019年内の事業化を目指す。

「マイドット」を付与した電子部品
「マイドット」を付与した電子部品。テープリールに収納されている数mm角の小型電子部品それぞれにマイドットを付与し、個々に識別できるようにしている。従来はテープリール単位でしかトレーサビリティーをとれなかったが、マイドットを使えば部品単位での管理も可能になる(クリックで拡大)

 マイドットは、市販のデコレーションペンなどに用いられている微粒子入りインクで書いたドットをカメラで拡大撮影した場合、ドット内の微粒子が作り出す微細な模様が唯一無二なものになっていることを利用した技術だ。

微粒子入りのインクで書いた「マイドット」唯一無二のパターンであり識別タグとして利用できる 微粒子入りのインクで書いた「マイドット」(左)。唯一無二のパターンであり識別タグとして利用できる(右)(クリックで拡大) 出典:NEC

 画像認識の一般的な照合アルゴリズムは、角や縁といったエッジが明瞭な特徴点を抽出し、その周辺の局所的な暗→明あるいは明→暗といった明暗の「方向」で向きを合わせた上で、その部分の模様が同一かどうかを照合する。しかし、マイドットの微粒子が作り出す微細な模様の画像は、明暗の「方向」が定まりにくく、照合に適さない特徴点が大量に抽出されてしまい、全ての特徴点を照合すると時間がかかる上に精度のよい識別結果は得られないという課題があった。

画像認識の一般的な照合アルゴリズム(左)と「マイドット」の画像認識アルゴリズムの違い(クリックで拡大) 出典:NEC

 今回の発表では、模様から抽出されたそれぞれの特徴点周辺における明暗の偏り方を数値計算し、照合の際に必要な位置決めの基準となる「方向」の安定性を評価するアルゴリズムを開発した。これを基に安定的に「方向」が取れる特徴点を絞り込み、実際に照合できるようになり、高速かつ高精度な識別が可能になったという。

 マイドットの最大の特徴は、市販のペンでドットを書くだけという手軽さでモノにタグを付けられることだ。開発を担当したNEC データサイエンス研究所 主幹研究員の石山塁氏は「バーコードなどのタグ付けが難しく、適用できなかった多様なモノへIoT(モノのインターネット)の活用を拡大できる」と強調する。

モノへのタグ付けはバーコードの印刷や貼り付けが必要だった「マイドット」ならペンでドットを書いて撮影するだけで済む 従来、モノへのタグ付けはバーコードの印刷や貼り付けが必要だった(左)。「マイドット」ならペンでドットを書いて撮影するだけで済む(右)(クリックで拡大) 出典:NEC

 なお、NECはマイドットの認証サーバを提供するものの、マイドットを用いたサービスについては提携するサービス事業者が提供することになる。

「マイドット」の認証手順「マイドット」の認証手順「マイドット」の認証手順 「マイドット」の認証手順。登録時は、ドットを書いて拡大画像を撮影、認証サーバに登録しデータとリンクする(左)。識別時は、ドットの拡大画像を撮影してサーバで照合し(中央)、リンクしたデータが提供される(右)(クリックで拡大) 出典:NEC

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