さわって、かざして、パスワードレス 指紋認証デバイス「magatama」
ディー・ディー・エスの「magatama」は500円玉ほどの小型デバイスに指紋センサーと通信機能を搭載、“さわって、かざす”アクションで個人確認を行いパスワードレスでさまざまなサービスを利用できる。
指紋認証デバイスの開発を手掛けるディー・ディー・エスは2015年10月27日、ウェアラブル指紋認証デバイス「magatama」(マガタマ)を発表、同年11月下旬より販売開始すると発表した。
magatamaは500円硬貨を数枚重ねたほどの大きさで、内部には指紋センサーとBluetooth Low EnergyおよびNFC Type-A/B/Fの通信モジュールを搭載する。指紋センサーに触ることで個人認証、デバイスをBLE/NFC対応機器にかざすことで通信が行われるため、“さわって、かさず”とシンプルなアクションで本人確認とネットワークへのアクセスが行える。
認証については生体認証を端末とサーバをセットで標準化するFIDO(Fast identity online)に対応しており、“さわって、かざす”アクションで個人確認を行い、さまざまオンライン上へのアクションが可能だ。magatamaのデバイス側で指紋を取得した後に暗号化してスマートフォンへBLEにて送信し、スマホ内では指紋画像の特徴点だけを残して暗号化するため、認証時の個人情報は十分に保護されると説明する。
現時点ではスマートフォンと組み合わせての利用が想定されており、スマホへBLEで接続してFIDO認証を利用し、デバイスに搭載するNFCで各種決済を行う利用方法を提案している。
同社ではmagatamaおよびmagatama用スマートフォンアプリ提供の他、ID管理サーバ(認証局)も設立してのプラットフォーム提供を予定しており、物販やデジタルコンテンツ販売、契約認証などさまざまな個人認証が必要となるサービスのパスワードレス化を狙う考えだ。
FIDOは端末側で生体認証を行い、端末とサーバ間は暗号鍵のみをやりとりすることで、サーバ側に生態情報を持たせず認証を行う。普及を目指す団体「FIDO Alliance」が組織されており、IntelやARM、Microsoft、Google、Infineon、VISAなど200社以上が加盟しており、日本国内では既に対応スマートフォン(「ARROWS NX F-04G」など)が2015年夏より出荷されている。
iPhoneなど指紋認証デバイスを搭載したスマートフォンは既に流通しており、個人向けの可搬性のある指紋認証デバイスという意味では新味はない。ただ、同社代表取締役社長の三吉野健滋氏は「magatamaは引き算の産物」と、認証機能と接続機能に特化することで幅広い使い道を提供すると述べた。
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