ソニーから飛び出して、ベンチャー立ち上げ! 生体認証技術をビジネスに:zenmono通信(1/3 ページ)
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、モフィリアの天貝佐登史さんにお話を伺った。
本記事はモノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から転載しています。
enmono三木氏 本日は、モフィリアにお邪魔しています。社長の天貝さんです。
天貝氏 よろしくお願いします。最初にお会いした時は会社を立ち上げてまだ8カ月のころで、それから苦節3年、やっと息がつけるようになりました。
enmono三木氏 天貝さんはソニーで、AIBO(アイボ)などのロボットや生体認証技術に携わられて、独立されました。
天貝氏 研究所でやっていた指静脈認証技術を事業としてインキュベーションするところの模索中、「これは事業として発展していくに違いない」と思いました。ソニーという大きな会社でやるのではなく、自分たちで即断即決できる小さな集団でやった方がよいのではと考え、事業ごとソニーから出させていただきました。
enmono三木氏 天貝さんと同じように、志を持って独立された方がいらっしゃるそうですね。大手メーカーから技術あるエンジニアが独立して、サービスやデバイスを生み出すということは、これからの日本にインパクトを与えるのではないでしょうか。
天貝氏 お客さまに求められたらすぐにデモをお見せしたり、改造できるのは、即断即決できる小さい会社のメリットです。だからこそ取れたビジネスも、かなりあると思います。ソニーは、志を持って何かやろうとする人を応援してくれる温かい会社です。けんか別れではないので、私は「脱藩」と言っているのですが。ソニーが築いているグローバルなネットワークや、市場の人脈を教えてもらえている関係です。また、ソニーがわれわれの技術を使いたいとなれば喜んで協力します。われわれにとってはソニーという有名な会社が将来的なポテンシャルのお客さんになり、ソニー生まれの技術で評価が高まります。
enmono三木氏 キャピタルとはお金だけでなく、人的な資本や関係資本もあるといわれています。天貝さんのお人柄で、そのような目に見えない資本や協力が得られるのでしょう。
天貝氏 高い技術評価の下で独立したので、サポートしてくださったのではないでしょうか。ソニーといえど、面白い技術全てにお金を出せるわけではありません。素晴らしい技術を闇に葬ることは、ソニーにとっても社会にとっても、もったいないわけです。「そんなに気前よく外に出してしまっていいの?」とも感じますが。ソニーからの出資はありませんが、ベンチャーキャピタルの方がリードインベスター的に手を挙げてくださったのは、本当にラッキーでした。日本独自の特許技術であること、世界で適用できるというところを面白いと思っていただけたようです。
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