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ルネサスSP買収のシナプティクス、“日米合作”の新製品で新たな市場へ組み込み開発ニュース

シナプティクスは2015年7月15日、都内で新製品発表会を開催した。2014年6月のルネサスエスピードライバ買収後、初の製品披露となる。

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 タッチパッドなどの入力デバイス用半導体を主力とするシナプティクスは2015年7月15日、都内で新製品発表会を開催した。会見にはシナプティクスのスマートディスプレイ部門担当 シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャのKevin Barber氏が登壇し、ルネサスエスピードライバ(以下、ルネサスSP)買収で得たノウハウを投入した製品を披露するとともに、今後の戦略について語った。

スマートデバイス部門担当 シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ Kevin Barber氏
スマートデバイス部門担当 シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ Kevin Barber氏

 今回発表されたのはUltra High Definition(UHD)対応製品を含むディスプレイドライバIC(DDIC)と、シナプティクスの社長兼CEOのRick Bergman氏が強化領域に挙げていたディスプレイドライバとタッチパネルコントローラを1チップ化したTDDI(Touch and Display Driver Integration)「ClearPad 4300」だ。いずれもサンプル出荷は開始されている。

 DDICの新製品は、異なる解像度に対応する「R61350」「R631350」「R63450B」「R63424」の4種類で最大4K UHD解像度(3840×2160ピクセル)に対応する。これらの新製品は、同社のジャパンデザインセンター(東京都中野区)にて開発が行われたもので、UHD解像度に対応するDDICは業界初であると同社は説明する。

 サンプル品の出荷が発表されたTDDI「ClearPad 4300」は、手袋での操作やジェスチャーによる起動、顔検出などをサポートする。また、部分コントラスト制御やコンテンツに応じたガンマ値制御など、画質とバッテリー寿命の最適化を図る技術も導入された。タッチコントローラー部分は米シナプティクス、グラフィックドライバ部分は日本のシナプティクス(旧ルネサスSP)が開発を主導しており、“日米合作”ともいえる製品となっている。量産については2015年末までの出荷を目標にしており、「現在は主要クライアントとTDDIのさらなる活用に向けて取り組んでいる」とBarber氏は述べた。

ClearPad 4300はまずHD/FHDの分野で展開する(右グラフ)
ClearPad 4300はまずHD/FHDの分野で展開する(右グラフ)

 ルネサスSPの買収により、TDDIとDDICに関するポートフォリオの厚みが増した同社は、これらの新製品を武器に、これからタッチパネル液晶の導入が進むとみられる自動車やウェアラブル、PCアクセサリなどの市場を狙う。

 加えて近年はバイオメトリクス(生体認証)によるセキュリティ強化の需要も増加しており、同社が得意とする指紋認証を強化するだけでなく、静脈認証、顔認証など別の生体認証にも力を入れていきたいとBarber氏は述べた。

シナプティクスの今後の拡大戦略
シナプティクスの今後の拡大戦略

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